夢のうた♪

一条真也です。

いよいよ、ゴールデンウィークも最後ですね。
みなさんは、楽しい思い出ができましたか。
わたしは、久々に家で過ごし、子どもたちと会話ができました。
ところで、会話というのは死者ともできることをご存知ですか?
ルドルフ・シュタイナーというドイツの偉大な神秘哲学者によれば、人は眠ったときに夢の中で死者と会うことができ、会話もできるというのです。
死者に対する生者からの働きかけは、眠っているときに生じます。
夜眠ると、生者の魂は死者と同じ世界に入ります。
毎晩、眠っているときのわたしたちは、実は死者たちと一緒に暮らしているのです。
だから眠りの中に、死者に対する供養になるようなイメージを持ち込めるのですね。



また、自分の親しかった死者に対して、何か問いかけをしながら眠るとします。
亡くなった父親に向かって、自分はいま、こういう問題をどう考えてよいかわからない、どうしたらよいだろうか、こういう道とこういう道があるけれども、その中のどれを選ぶべきなのかということを問いかけながら眠ります。
すると、その問いは死者に働きかけて、死者はそれによって生者にメッセージを送ることができるのです。
シュタイナーによれば、その答えは翌日、思いがけないかたちで出てくるそうです。
たとえば自分の心の奥底から、まるで自分が考えたとは思えない素晴らしい思いつきが生じたとすれば、それは死者からのメッセージだというのです。
死者が外から声に出して語るというのではなくて、自分の存在の最も核心の部分から聞こえてくるものが死者の声だというのです。



さらに、眠るときに死者に対する愛情を持って眠ると、死者はそれをまるで美しい音楽のように聞き取ることができるそうです。
なつかしい思い出が感謝や思いやりとともに死者に届けられるのです。
そういう気分の中で眠ることができれば、死者にとっても最大の供養になり、自分にとっても大きな心の支えになるのです。
このように、死者のことを思うことが、死者との結びつきを強めるのです。
メーテルリンクの『青い鳥』には「思い出の国」というのが出てきます。
自身が偉大な神秘主義者であったメーテルリンクも、夢で死者を思い出すことによって、生者は死者と会えると主張しているのです。
夢の中では誰でも会いたい人に会える。なんて素敵なことでしょうか!
ということで、ラッツ&スターの「夢で逢えたら」をどうぞ。


夢についての歌といえば、やはり井上陽水の「夢の中へ」が思い浮かびますね。
この歌は麻薬捜査官を茶化した歌であるという都市伝説があります。
「探し物は何ですか、見つけにくい物ですか」という歌詞が、捜査官に対して「探せるものなら探してごらん」と挑発しているというのです。
そして本人は、薬の力を借りて「夢の中へ」入ってゆくというのです。
陽水独特の歌い方も、なんだかラリっているような・・・・・。
一種のブラック・ユーモアですが、奇妙な説得力もありますね。
この曲そのものは名曲で、わたしが小学生の頃にヒットしました。
大学生の時には、大ファンだった斉藤由貴もカバーで歌いましたね。


最後に、夢の歌というと、映画「ラ・ブーム」の主題歌が忘れられません。
リチャード・サンダーソンが歌った「愛のファンタジー」です。
「ドリーム・イズ・マイ・リアリティ〜」というサビの歌詞が大好きでした。
ラ・ブーム」でデビューしたソフィー・マルソーも大好きでした。
今やフランスを代表する大女優にまで成長しましたよね。
でも、デビュー当時はあどけないティーンでしたね。
映画の中で娘の異性交遊を心配する父親を滑稽に思っていましたが、考えてみれば自分もその年齢になったんですねぇ。
今日は「こども日」ですが、子どもはすぐ成長し、親は老いてゆく。
なんだか、しんみりしてきますな。


そういえば、「ドリーム・イズ・マイ・リアリティ」という歌詞は、「夢こそまこと」という意味で、これは江戸川乱歩の言葉ですね。
正しくは、「現し世は夢、夜の夢こそまこと」です。
乱歩は、この言葉を色紙などに好んで書いたそうです。
いや、わたしも、その通りだと思います。じつに良い言葉ですね。
それでは、夜も更けてきたので、そろそろ寝るとしますか。
夢でお逢いできたらいいですね!


2010年5月5日 一条真也