北九州のうた♪

一条真也です。

東京のうた♪」を紹介しましたので、今度は、わたしの地元である北九州の歌を紹介したいと思います。演歌ばかりですけど(笑)。
メメント・モリ』の藤原新也さんも北九州市のご出身です。
北九州市は、門司、小倉、戸畑、若松、八幡の5市が合併して誕生した都市です。
世界的に見てもきわめて珍しい5市合併により、三大都市圏以外で初の政令指定都市になりました。わたしが生まれた1963年のことです。
しかし、今でも旧5市はそれぞれの個性を放っています。
わたしの住む小倉には、小倉祇園太鼓という誇るべき文化があります。
そして、それを題材とした小説や映画があります。
小説とは、岩下俊作の「富島松五郎伝」です。
1939年に雑誌「九州文学」に掲載されました。
映画とは、あの「無法松の一生」です。
1943年の初映画化以来、主人公の「無法松」こと富島松五郎を、阪東妻三郎三船敏郎三國連太郎勝新太郎といった大スターたちが演じました。
さらには、素晴らしい歌謡曲まで生まれました。
そうです、村田英雄の「無法松の一生〜度胸千両」です。


それにしても、村田英雄はカッコいいですね!
彼は、もうひとつの名曲である「花と竜」も歌っています。こちらは若松の歌ですね。
「花と竜」は、芥川賞作家である火野葦平が1952年から53年にかけて「読売新聞」に連載した小説です。
実在した玉井金五郎という大親分が主人公です。
1954年以来ずいぶん映画化もされましたが、主人公を演じた俳優がこちらも凄い。
藤田進、石原裕次郎中村錦之助、渡哲也といった面々です。
濃厚な男の世界を村田センセイが貫禄たっぷりに歌い上げます。


村田英雄の歌が2曲続きましたが、小倉と若松が歌われています。
門司を歌った作品もあります。
山本譲二の「関門海峡」です。
非常に力強く、関門海峡の雰囲気が見事に表現されています。
彼の歌では、「みちのく一人旅」に次ぐ名曲ではないでしょうか。
わたしは、「唸るスクリュ〜関門海峡〜」という歌い出しの歌詞が好きです。
昔は、「小倉の止まり木」ことレパードでカラオケをよく歌いました。


どれも名曲だとは思うのですが、3曲とも男くさいというか、いかにも任侠関係者が好きそうな歌ばかりですね。実際、小倉の鍛冶町や堺町をはじめ北九州市内のスナックでは、よくカラオケで歌われます。
ちなみに現在、北九州市では北橋健治市長の号令によって、史上最大の暴力追放運動が展開されています。
でも、けっして北九州市は荒くれ者ばかりではありません!
わたせせいぞう村下孝蔵といったハートフルな人々を輩出したこともお忘れなく。
えっ、わたしですか? もちろん虫も殺さない優しい男ですよ(微笑)。


2010年6月5日 一条真也