「こどもたちへ」

一条真也です。

最近、結婚式で人気の歌があります。
知る人ぞ知る歌ですが、父親が子どもに向けたメッセージソングです。
パパ荒川の「こどもたちへ」です。


「パパ荒川」の本名は荒川勝治さん。現在、50歳です。
東京都練馬区在住で、7人家族。5人の子の父です。
プロ歌手を志し、27歳の時に名古屋から妻子を連れて上京しました。
深夜トラックの運転手として働きながら歌手を目指しました。
しかし、生活に追われるうちに、いつしか夢をあきらめました。
ライブ活動などを続けるにもお金がかかるからです。
7人家族の生活を支えるには、そんな余裕はなかったからです。



転機は、今から2年前でした。
子供たちに後押しされ、吉祥寺を拠点にライブ活動を再開するのです。
というのも、 収入が減り、家の電気やガスを止められ、一家で途方に暮れていたある日のこと。反抗期の真っ只中だった次女が、突然、彼を罵倒したのです。
「今のオヤジは夢見ていたはずの音楽も、仕事も、両方いい加減。情けないよ!」
この娘の言葉に荒川さんは奮起し、家族にこう言います。
「欲しいものも、好きなことも我慢させてごめん。その日、食べることで精一杯だった。」
そして、次のように宣言しました。
「でも、これからは違う。音楽で家族7人が一つになるんだ。」
荒川さんは休んでいたライヴ活動を再開しました。
5人の子どもたちに捧げる新しいバラードを完成させました。タイトルは「こどもたちへ」。
ライブを聴きに来ていた秋元順子さんの事務所関係者の目にとまり、秋元さんと同じ事務所に所属することに。そうして今年6月、ついにキングレコードより「こどもたちへ」で待望のメジャーデビューを果たしたのです。
感情を振り絞るように歌う独特のしゃがれ声は、聴く者を一瞬にして魅了します。
そして、この歌には、「家族愛」が溢れています。

「最後まであきらめない勇気」「どこまでも信じる力」「人を裏切らない誠実さ」「愛を貫いて生きてゆくこと」などのメッセージをこどもたちに伝えるために、「今日まで守り育ててきたんだ」という力強い歌詞が、聴く者の胸を打ちます。
今日の「父の日」、わたしは2人の娘たちから折り鶴とメッセージカードをもらいました。
そこには、「こどもたちへ」ならぬ「こどもたちから」の、けっこう泣かせるメッセージが書かれていました。彼女たちが巣立つまで、しっかり「守り育てなければ」と思いました。
ところで、パパ荒川の夢は5人の子と一緒に、この歌で紅白歌合戦に出場することだそうです。夢が叶うといいですね!



                  こどもたちからのメッセージ


2010年6月20日 一条真也