孤独死講演会

一条真也です。
今日は、東京・山手線の大塚駅前にあるホテルベルクラシック東京で、「孤独死に学ぶ互助会の使命(ミッション)とは」という講演を行いました。
常盤平団地自治会長である中沢卓実氏と御一緒でした。
200人収容の会場が満員になり、立ち見まで出る盛況ぶりでした。


                   講師控室で中沢卓実氏と

                  講演会場が満員になりました


最初に、孤独死問題における我が国の第一人者である中沢氏が講演されました。
中沢氏によれば、「孤独死は行政がなんとかしてくれる」という、あなた任せになる危険性があるといいます。そうではなく、自分たちの生活習慣を改めて、地域の幸せを皆でつくるという発想が大事なのです。
そこで出てくるキーワードが「あいさつ」でした。中沢氏は、次のように述べています。
「わたしたちが結構腐心するのは、言ってみれば、おじいちゃん、おばあちゃんから、若い人たちまで共通して理解されるものは何かということです。そうして行き着いたのが『あいさつ』することでした。誰でも参加できる、納得できる、それは『あいさつ』をすること。地域でこの運動を高めていこう。あいさつは孤独死ゼロの第一歩なのですよ」
たしかに、「孤独死」は人間という『間』からドロップアウトする部分があるわけで、そうならないためには、もう一度『間』に戻る必要があります。
そのためには、『間』に入る魔法の呪文としての「あいさつ」が重要になるわけです。
まさに、「あいさつ」という「礼」の力こそが人間の幸福に直結していることを、中沢氏は孤独死の中から学んだのです。近隣との「ないないづくし」の関係を、あいさつすることによって、「あるあるづくし」に変えていけるのです。
これは「天下布礼」の旗を掲げるわたしにとって、心に沁みるような思いがしました。


             「無縁社会」と「隣人祭り」について話しました


次に、わたしが主に「隣人祭り」の話を中心に講演しました。
いま、「無縁社会」が非常に大きな話題となっており、その波紋は広がる一方です。
では、わたしたちは「無縁社会」にどう向き合えばよいのか。
さらに言うなら、どうすれば「無縁社会」を乗り越えられるのか。
わたしは、その最大の方策の一つは、「隣人祭り」だと思います。
隣人祭り」とは、地域の隣人たちが食べ物や飲み物を持ち寄って集い、食事をしながら語り合うことです。都会に暮らす隣人たちが年に数回、顔を合わせます。


               冠婚葬祭互助会のミッションを語りました


隣人祭り」のキーワードは「助け合い」や「相互扶助」です。
それなら、多くの人は日本に存在する某組織のことを思い浮かべるのではないでしょうか。そう、互助会です。正しくは、冠婚葬祭互助会といいます。「互助」とは「相互扶助」を略したものなのです。わたしはフランスで起こった隣人祭りと日本の互助会の精神は非常に似ていると思っています。
そして、わが社の「隣人祭り」開催サポート活動などを紹介しながら、「豊かな人間関係」こそ冠婚葬祭事業のインフラであり、冠婚葬祭互助会は「有縁社会」を再構築する力を持っているのだと訴えました。


                 中沢氏とディスカッションしました


各自の講演の後は、互いにディスカッションを行い、孤独死ゼロの「互助社会」の実現を呼びかけました。まさに、「互助会」から「互助社会」へ、です。
終了後、多くの方々から「大変よかった」との感想を頂戴し、感激いたしました。
中沢卓実さん、関係者の方々、本当にありがとうございました!


2010年7月27日 一条真也



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