ノートの時代

一条真也です。

マーケティングコンサルタントの谷口正和さんから、素敵なプレゼントが届きました。
『ベジ&ハーブ手帳2011』と『江戸帖2011年度版』(いずれも、ジャパン ライフデザイン システムズ発行)の2冊のノートです。


               谷口正和さんから贈られた2冊のノート


同封のメッセージカードには、次のような谷口さんのメッセージが書かれていました。
「2011年度の手帳が出来上がりました。どうぞお使いください」
「1つは、家庭菜園が好きな人  1つは、江戸文化が好きな人  のための手帳です」
「クラブ活動を応援しています」



デザインの専門家が作っただけあって、2冊とも非常にスタイリッシュな装丁です。
緑色の『ベジ&ハーブ手帳2011』は、淡野一郎(サカタのタネ)、佐々木薫(生活の木)、服部幸應服部栄養専門学校)といった、プロの人々の協力で作られたそうです。
その内容は、以下の通りです。
●菜園のタイミングが分かる月間&週間ダイアリー
●基礎から学べる菜園レッスンつき
●収穫物で楽しむ季節の活用術&ベジレシピつき
●41品目の野菜とハーブの栽培ナビ&記録欄つき
そして帯には、「身近な暮らしの中で命を育み、自然を感じるライフスタイルの提案と野菜&ハーブを育てるステップをダイアリー形式でまとめた、新感覚の菜園手帳です」との一文が書かれています。



紫色の『江戸帖2011年度版』は、「江戸」の美意識と暮らす毎日のためのダイアリーになっています。帯に、「季節を愛した江戸、粋を大切にした江戸。江戸デザインは『ココロに効く』日々のスパイスです」との一文が書かれています。
内容も豊富で、「江戸の暮らし」「二十四節季と七十二侯」「月間スケジュール/週間スケジュール」「江戸の娯楽・・・・・歌舞伎/相撲/落語」「江戸の美・・・・・てぬぐい/浮世絵」「江戸を装う/切絵図と江戸を歩く」「江戸を巡る(地下鉄路線図)などが満載です。また、「江戸の行事」「伝統芸能」「江戸の食」といったコラムも掲載されています。
江戸文化は、高齢者を大切にする敬老文化であり、「老い」を楽しむ老楽文化でもありました。すなわち、わたしの唱える「グランドカルチャー」に直結しています。
また、ブログ「グランドカルチャー教室」に書いたように、わが社は「趣味」を求心力にした縁というものを提供して、「無縁社会」を乗り越えたいと考えています。



わが国を代表するコンセプターでもある谷口さんは、「交流社会の到来」を唱えておられます。生活者は、より掘り下げたライフスタイルを求めます。そこに他者との深い交流が生まれるわけですが、これらの交流を一言でいえば「パーティ」という概念で整理できるそうです。あらゆる生活局面で、パーティが頻繁に発生する時代だというのです。
「パーティ」とは何かといえば、「人が集まる」ことです。人が集まれば、そこには各種の「縁」が生まれ、「有縁社会」が発生するわけですね。
そして、人を集める最大の要素こそ「趣味」であり、人と人とが結びつく最大の要素は「共通の趣味」です。
人間は趣味によって、かけがえのない仲間を得ることができます。
これまで人々のコミュ二ティの中核をなしてきたのは親族、地域社会、学校、職場などでした。それらを「縁」という視点で見ると、「血縁」「地縁」「学縁」「職縁」となります。
しかし今後は文化・スポーツなど趣味をともにする同好の人々からなる「好縁」、さらには道としての文化で人間的完成を求め、ボランティアやNPO活動で社会への貢献をめざす人々の「道縁」が中心になると思われます。
その意味でも、2冊のノートのテーマである「家庭菜園」や「江戸文化」は、交流社会への大きな入口となる可能性を持っています。



それにしても、「家庭菜園ノート」に「江戸文化ノート」とは!
いやぁ、谷口さんも粋なことを考えられますねぇ。さすがです。
わたしも、これまでに『思い出ノート』『幸せノート』(いずれも、現代書林)の2冊のノートを作って、谷口さんにも贈らせていただきました。
思い出ノート』は、“自分史ノート”と“エンディングノート”を組み合わせたもの。
幸せノート』は、“婚活ノート”と“結婚式準備ノート”を組み合わせたものです。
2冊とも、谷口さんのブログ「発想の画帖」において、「ラストノート。」と「幸せとは何?」のタイトルで紹介していただきました。


               谷口正和さんに贈った2冊のノート


「歴史」を意味するヒストリーとは、ヒズ・ストーリーのことです。つまり、個人の「物語」のことです。それぞれの人の個人的な物語が、歴史というものを創り上げているのです。多種多様なノートに、人はそれぞれの物語を書き込み、それぞれの歴史を残すのです。
いよいよ、日本にも本格的な「ノートの時代」が来ました!
谷口さん、これからもお互いに個性あふれるノートをプロデュースして、多くの人たちが幸せに暮らせるお手伝いがしたいですね。
このたびは、素敵な2冊のノートをお贈りいただき、本当にありがとうございました。


2010年9月30日 一条真也