創立44周年記念式典

一条真也です。

今日は、わが社の44回目の創立記念日です。
朝から松柏園ホテルの顕斎殿で神事が執り行われました。
その後、500名を超える社員が参集して、「創立記念式典」が開かれました。


                    佐久間会長の訓示


まず、施行相談課の有村俊博課長による「ふれ太鼓」で幕を明け、総務課の末廣守課長による「開会の辞」に続いて全員で社歌を斉唱し、それから小倉西営業所の浦壁俊幸所長によって「経営理念」「S2M宣言」が読み上げられ、全員で唱和しました。
そして、佐久間進 サンレーグループ会長による「会長訓示」の後、いよいよ、わたしの「社長訓示」です。


                わが社の使命と志について語りました                 

                 「有縁社会」の創造を訴えました


わたしは、以下のような内容の話をしました。
今年は1月から「無縁社会」や「葬式は、要らない」などのキーワードが出てくるという激動の年だったが、わが社は「有縁社会」を創造すべく挑戦してきました。
特に、地縁再生イベントとしての「隣人祭り」の開催を積極的にサポートしてきました。
ところで、「隣人」の「隣」という文字の意味を知っているでしょうか。
「隣」の字の左にある「こざとへん」は人々の住む「村」を表します。右には「米」「夕」「井」の文字があります。三つとも、人間にとって最重要なものばかりです。それぞれ、「米」は食べ物を、「夕」は人の骨を、「井」は水を中心とした生活の場を表しています。
すなわち、「隣」という字は、同じ村に住む人々が衣食住によって生活を営み、その営みを終えた後は仲間たちによって弔われ、死者となるという意味なのです。
そこから、「死者を弔うのは隣人の務めである」といったメッセージさえ読み取れます。


               「隣」という文字について説明しました


「俳聖」と呼ばれた松尾芭蕉に「秋深き隣は何をする人ぞ」という有名な句があります。
多くの人は「秋の夜、隣の家の住人たちは何をしているのかなあ」というような意味にとらえているでしょうが、じつはこの句には深い意味があります。
芭蕉は、51歳のときにこの句を詠みました。1694年(元禄7年)9月29日のことでしたが、この日の夜は芭蕉最後の俳句会が芝柏亭で開かれることになっていました。しかし、芭蕉は体調が悪いため句会には、参加できないと考えました。そこで、この俳句を書いて送ったそうです。結局これが芭蕉が起きて詠んだ生涯最後の俳句となりました。彼はこの日から命日となる10月12日まで病床に伏せ、ついに一度も起きあがることなく死んでいきました。
「隣」の真の意味を考えれば、「秋深き隣は何をする人ぞ」という句は次のように解釈できます。「いよいよ秋も深まりましたね。紅葉は美しく、夜には虫の音も響き渡って、想いが膨らみます。村の皆さんは、何をして秋を楽しむのでしょうか。私は間もなく死んでしまいますが、皆さんはこれからどのような人生を送るのでしょうか。ぜひ、実りのある人生を過ごされることを願っています。それでは、さようなら・・・」
この句に「隣」の字を使った芭蕉の心には、単なる惜別のメッセージだけでなく、もっと切実な「人の道」への想いがあったのかもしれません。
そんなことを話すと、みんな熱心にメモを取っていました。


                   真剣な表情で話を聴く

      「人はみな無縁にあらず 人の世を有縁にするは われらのつとめ」



そして、「天下布礼」の精神のもと、「冠婚葬祭や隣人祭りによって、さらに良い人間関係づくりのお手伝いをしよう!」と呼びかけました。
そして最後は、「人はみな無縁にあらず 人の世を有縁にするは われらのつとめ」という短歌を披露しました。


                  各種の受賞者を表彰しました


「社長訓示」の後は、各種表彰が行われました。
「情報売上」上位者、「葬祭ディレクター」合格者、「NTT電話応対コンテスト」入賞者に、わたしから表彰状や記念品を授与させていただきました。
また、「おもてなし検定」合格者、「百万にこにこホスピタリティ運動 ホスピタリティ賞」受賞者、さらには「サンレーホスピタリティ賞」受賞者には佐久間会長から表彰状や記念品が授与されました。みなさん、おめでとうございます!


                  最後は「和のこえ」で締めくくる


それから、全員で手をつないでの「和のこえ」を業務管理部の松田部長が音頭を取り、記念式典がめでたく終了。
松柏園ホテルの写場へと移動し、役員一同と受賞者のみなさんで記念撮影。
最後は、受賞者のみなさんと一緒の記念昼食会でした。
創立記念日の恒例になっていますが、今年も北九州市内の養護施設や幼稚園などを訪問し、紅白饅頭、お菓子、文房具などをプレゼントさせていただきました。



今年も、無事に創立記念日を迎えられて、本当に嬉しいです。
44年前、つまり1966年の11月18日、株式会社サンレーは誕生しました。
1966年といえば、イギリスで音楽革命を起こしたビートルズが来日して、空前の大ブームを巻き起こしました。彼らの影響で日本には多くのグループサウンズが生まれ、若者たちの間では長髪が流行しました。アメリカでは大衆文化の革命を起こしたウォルト・ディズニーが亡くなり、中国では毛沢東がその名も「文化大革命」を起こしました。
そんな年に誕生したサンレーは、もしかすると、日本で「冠婚葬祭の文化大革命」をめざして歩んできたのかもしれません。



わたしも社長に就任してから10年が経ちました。本当に紆余曲折ありましたが、ここまで来れたのは、互助会の会員様、お客様、そして社員のみなさんのおかげです。
心から「ありがとうございます」と言いたいところですが、今日は、あえて社員のみなさんに「おめでとうございます」と言わせていただきました。なぜなら、この祝うべき44周年の主役とは社員のみなさんだからです。ですから、正月の挨拶のようにお互いに「創立44周年、おめでとうございます」と言い合ったのです。
そして、来年は、いよいよ45周年です。
輝ける45周年に向かって、さらに前進していきたいと願っています。
これから博多に向かいます。日本を代表する葬儀業界の有志が全国から集結する会合が開かれ、その記念講演の講師として呼ばれているのです。
自分の会社でも想いを社員のみなさんに伝えるのみならず、他社の経営者のみなさんにもメッセージを伝えられるとは、本当に幸せなことです。
わが社のミッションである「人間尊重」の精神を広める「天下布礼」のために、この身が朽ち果てようともベストを尽くす覚悟です。それでは、行ってきます!


2010年11月18日 一条真也