シャンパンとタイタニック号

一条真也です。

無事に本が上梓され、シャンパンで祝杯をあげる瞬間を夢見ながら、『満月交感 ムーンサルトレター』上・下巻(水曜社)の膨大な校正作業に取り組んでいます。
シャンパンといえば、昨日、ある方から素敵なプレゼントをしていただきました。じつは昨日ちょっと良いことがあったのですが、そのお祝いとしてお酒を頂戴したのです。


                  昨日いただいたプレゼント               


ラベルを見ると、「ロジャーグラート カヴァ ロゼ ブリュット」のスパークリングワイン。
いやあ、嬉しいなあ! わたしの好きなお酒です。
わたしは、とにかくシャンパンに目がなくて、1人で2本ぐらい平気で開けます。
あまりシャンパンが好きなので、(株)ゼンリンプリンテックスの大迫益男会長は、わたしのことを「シャンパン王子」と呼んで、からかうほどです。
本当はフランスのシャンパーニュ地方で取れたものだけを「シャンパン」と呼ぶそうですが、シャンパンを含め、広い意味でのスパークリングワインはわたしの大好物です。
また、わたしはハイボールとか、レモンサワー(チューハイ・レモン)とか、とにかく炭酸系の飲み物を好みます。シュワシュワ〜といった感覚が大好きなのです。
キリッと冷えた液体が炭酸とともに喉元を通りぬける刺激がたみゃらんのです(笑)。
普段の生活に刺激がないために、刺激に飢えているのかもしれませんね(笑)。



さて、シャンパンといえば、現在、200年前のシャンパンが話題になっています。
バルト海に沈んだ沈没船から19世紀初めのシャンパンが168本も引き上げられ、その試飲会が先日行われたのです。
最初にテイスティングした世界的なシャンパン専門家は、「ハチミツと桃の味がします」とコメントしました。200年前のシャンパンの味は甘かったようですね。
それにしても、なんというロマンあふれる出来事でしょうか!
そう、シャンパンとは「ロマンティック」の代名詞かもしれません。
デートで、プロポーズで、そして結婚式で、シャンパンほどロマンティックな場面で飲まれるお酒はありません。シャンパンには、ドレスやタキシード、バラの花束が似合います。
どうやら、自他ともに認めるロマン主義者のわたしがシャンパンを好む最大の理由はそのあたりにありそうです。



わたしは、いま、とても飲んでみたいシャンパンがあります。
それは200年前ではなく、100年前のシャンパンです。
というのも、かのタイタニック号に積まれていたシャンパンが飲みたいのです。
ジェームズ・キャメロン監督の映画「タイタニック」の冒頭シーンに出てきたように、大西洋の海底に眠っているタイタニック号の残骸には多くのシャンパンが残っていました。
大のタイタニック・マニアであるわたしは、そのシャンパンが飲みたくて仕方ありません。


以前、わたしはタイタニックの1等食堂をイメージしたブライダル会場「ザ・ブリティッシュ・クラブ」をつくりました。そのとき、タイタニック号の内装や調度品や什器備品や食事のメニューや飲み物についても徹底的に研究し、実際の披露宴に取り入れたのです。
仕事への情熱が趣味へと発展し、タイタニック号に関する骨董品なども求めました。
船の縮小模型、ホワイトスター社の看板、当時のチケットやメニュー表などなど・・・。
もちろん、各種の書籍やビデオなどもすべて集めてあります。
それらは、いずれ、未来の著書のために集めた資料でもあります。じつは、わたしは来年の沈没100周年にあわせてタイタニック号の本を書きたいと思っているのです。
タイタニック号は、「死」や「葬」といったテーマと深く関わっているからです。


                  わが家のタイタニック


豪華客船タイタニック号は、「科学技術」の時代としての「20世紀のシンボル」として誕生しました。しかし、1912年4月14日の深夜に悲劇的な沈没事故が起こり、タイタニックは「死のシンボル」として決定づけられたのです。
実際に、人類史上最大の海難事故として1513人という空前の死者を生み、結果として世界の葬儀産業の発達に一役買いました。
そして、沈没から2年後の1914年には第一次世界大戦が勃発し、第二次世界大戦と併せ、20世紀は大量に人間が死ぬ「大量死」の世紀となりました。
タイタニック号の沈没は、メーテルリンク宮沢賢治といった世界中の文学者にも大きな影響を与えましたが、何よりも現代にまで及ぶスピリチュアリズム心霊主義)を普及させたことが特筆すべきでしょう。タイタニック号沈没という未曾有の悲劇の文化史的意味、そして人類の「こころ」にどのような強い影響を与えたかを究明したいと思います。
まだ出版社は決まっていませんので、興味のある出版関係者の方は御連絡下さい。



タイタニック沈没100周年の2012年は、すでに各種のイベントが企画されています。
なんでも、実際にタイタニック号を引き上げる計画まで出ているとか。
まさに、「レイズ・ザ・タイタニック」の世界ですね。
沈没100周年の記念に、タイタニックシャンパンが飲めるのではないかと期待してしまいます。タイタニック号についての著書が出版されたお祝いに、タイタニックシャンパンが飲めたら最高ですね! 考えただけで、ウットリしますね(微笑)。
いかん、いかん、こんな夢みたいなことを考えているヒマがあったら、いま目の前にある『満月交感 ムーンサルトレター』の著者校正をしないと!(苦笑)



2010年11月21日 一条真也