著書の校正

一条真也です。

今日は日曜日です。わたしは、早朝から本の校正をやっています。
鎌田東二さんとの共著である『満月交感 ムーンサルトレター』(水曜社)の再校です。
上・下巻ですが、それぞれ300ページを超えるボリュームで、かなり大変です。


             膨大な『満月交感 ムーンサルトレター』の校正紙


しかも満月が来たので、新しい「ムーンサルトレター」も書かなければいけません。
さらには、明日の夜は大川商工会議所での講演が予定されているので、その準備もしなくてはなりません。本当に、ブログなど書いてる場合ではありませんね(苦笑)。
「もう、たみゃら〜ん!」と叫びたい気分です(泣笑)。
鎌田さんにも同じ校正が届いているはずですが、鎌田さんのレターには神道用語が多いので、わたし以上に大変ではないかと推察します。
わたしは、いつも著書の校正は魂を込めてやります。
17日に逝去されたノンフィクションライターの黒岩比佐子さんは、著書を「わが息子」と呼ばれていました。わたしも、自分の著書はすべて「わが子」だと思っています。



わたしは、これまで多くの本を書いてきました。オフィシャルブックサイト「一条本」を御覧いただければ幸いですが、そのテーマは多岐にわたります。特に、「哲学」「芸術」「宗教」「経営」といったテーマで取り上げられることが多いようです。
これらのテーマは、すべて本業である冠婚葬祭業に直結するものであり、ひいては人間の「こころ」を扱ったものだと思います。それぞれのジャンルの専門家でもないわたしが次々に本を書くことができるのも、すべては読書のおかげです。
つまり、わたしは、人様の書いた本を読んで学び、自分でも本を書いているのです。



拙著『あらゆる本が面白く読める方法〜万能の読書術』(三五館)の「プロローグ」にも書きましたが、本ほど、すごいものはありません。自分でも本を書くたびに思い知るのは、本というメディアが人間の「こころ」に与える影響力の大きさです。
子ども時代に読んだ偉人伝の影響で、冒険家や発明家になる人がいる。
1冊の本から勇気を与えられ、新しい人生にチャレンジする人がいる。
1冊の本を読んで、自殺を思いとどまる人もいる。
不治の病に苦しみながら、1冊の本で心安らかになる人もいる。
そして、愛する人を亡くした悲しみを1冊の本が癒してくれる。
本ほど、「こころ」に影響を与え、人間を幸福にしてきたメディアは存在しません。


                  本は「こころ」に影響を与える


そして、読者の「こころ」に影響を与える本の内容に間違った記述や誤字・脱字があってはなりません。そう、著者は、読者に対して大きな責任があるのです。
「わが子」を人前に出す前に、まともな姿に整えてやりたいのは親の情でもあります。
そのために、わたしは、地雷が埋まっている戦地を歩くような緊張感で、いつも著書の校正を行います。校正が終わると、毎回、神経が疲れてクタクタになります。書くときは一気に自分の考えや思いを吐き出すので大丈夫ですが、校正のほうがずっと疲れますね。悪戦苦闘の末に校正を終え、無事に本が世に出たときの喜びは大きいです。
わたしは、著書の見本が出たとき、シャンパンを開けて飲むことが多いのですが、その最初の一杯の旨さを想像しながら、ひたすら校正に励むのでありました。
ああ、早く、シャンパン飲みたいなぁ〜!(笑)


2010年11月21日 一条真也