ヒョードル引退

一条真也です。

東京に来ています。
北九州にいる秘書から大量のバレンタイン・チョコが届いているとの連絡がありました。
まったく、ありがたいことです。みなさん、心より感謝いたします。
さて夕方、わたしは池袋駅のKioskに売られていた東京スポに「電撃引退 ヒョードル」との見出しを見つけ、あわてて購入しました。
ちなみにトップ記事は、「沢尻 不倫相手 大麻売人間違いない」でした(苦笑)。


                  「東京スポーツ」2月14日号


いやあ、驚きました。じつは、わたしは三度の飯より格闘技が好きなのです。
以前も、ブログ「世界最強の男」という記事を書きましたが、各検索サイトの「世界最強の男」でいずれも上位にランクされているようです。
実際、「世界最強の男(グーグル)」、「世界最強の男(Yahoo!)」といったキーワードでの検索がわたしのブログに毎日のようにバンバン入ってきます。



エメリヤーエンコ・ヒョードルといえば、総合格闘技最強の選手として知られています。
特にPRIDEで大活躍し、「60億分の1の男」と称されていました。
現在の地球上の人口が約60億人ですから、全人類の中で最強という意味ですね。
わたしが、本当にヒョードルが強いと実感したのは、小川直也を一方的に破った試合。
柔道に思い入れが深いこともあって、わたしは「暴走柔道王」こと小川のファンでした。
プロレスの橋本真也や空手の佐竹雅昭に対して圧倒的な強さを見せつけた小川に対して、柔道の支持者として大いに歓喜したものでした。しかし、その小川がヒョードルにはまったく歯が立たず、「上には上がいるなあ」と思ったものでした。
小川直也に続いてアントニオ猪木が「闘魂」を注入した藤田直之も「日本人最強」と謳われましたが、ヒョードルの前には手も足も出ませんでした。


アントニオ・ホドリコ・ノゲイラミルコ・クロコップとの試合も名勝負でした。
「関節技の魔術師」と呼ばれたノゲイラとの一戦は、組み技系最強を決する一戦でした。そして、組み技系で最強となったヒョードルと立ち技系で最強のミルコの激突には、限りないロマンがありました。思えば、あの頃のPRIDEには、アントニオ猪木の格闘技世界一決定戦も、梶原一騎の「柔道一直線」や「空手バカ一代」も含めて、すべての格闘技におけるファンタジーがテンコ盛りになっていたような気がします。
そのミルコとの「世界最強決定戦」をヒョードルは見事に制したのでした。


一時は「史上最強の男」とまで呼ばれたヒョードルですが、昨年6月にファブリシオ・ヴェウドムに敗れ、9年半ぶりの黒星を喫しました。
再起をかけたヒョードルは、アントニオ・シウバとの一戦に臨みました。
ヒョードルは身長で12センチ、体重で16キロ、シウバに劣り、その体格差は明白でしたが、堂々と勝負に挑みました。
両者は「SFワールドGPヘビー級トーナメント」の初戦で激突しましたが、ヒョードルはシウバからボコボコに殴られ、2R終了TKOで敗れました。
顔面に大ダメージを負ったヒョードルは試合後に引退を電撃表明したのです。
ヒョードルの引退によって、総合格闘技の人気に翳りが出るのは確実です。
プロレス、大相撲に続いて、いよいよ総合格闘技も本格的な冬の時代を迎えるでしょう。
明日、「出版界の青年将校」こと三五館の中野長武さんと打ち合わせをする予定です。
じつは、中野さんも大の格闘技マニアなのです。
きっと、ヒョードル引退の話題で大いに盛り上がることでしょう。
わたしは、これまで激戦を重ねてきたヒョードルにとにかく休んでほしいと思います。
長い間、お疲れ様、ヒョードル! できれば、ヒクソンとやらせてやりたかった!


2011年2月14日 一条真也