暗い東京

一条真也です。

東京に来ています。
羽田から浜松町へ、そこから新橋に向かいました。
(社)全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の緊急理事会、そして全国冠婚葬祭互助連盟(全互連)の緊急理事会に出席しましたが、東北地方のリアルな惨状を詳しく知るにつれ、暗澹たる気分になりました。
死者の尊厳、生者の生命を守るために、さまざまな事項を決定しました。
あと、何度も地震がありました。九州では、まず経験しない揺れでした。



                   四谷のセブンイレブン

                  時代がこの本に追いついた?


業界の会議終了後、四谷の三五館を訪れました。
四谷では、セブンイレブンのネオンが消えていて、びっくりしました。
あと、思ったより、ずっと東京が寒かったのが誤算でした。
道行く人は、みんなコートを着てマフラーを巻いています。九州が暖かかったため、わたしは油断してコートを持ってきませんでした。風邪を引くかもしれません。
暗く寒い道を歩き、やっと三五館に辿り着きました。
星山社長にお会いして、『隣人の時代』刊行の挨拶をさせていただきました。
その間も、かなり大きな地震がありました。
2006年に三五館から刊行された『放射能で首都圏消滅〜誰も知らない震災対策』古長谷稔著を頂戴しました。まさに、ジャスト・タイムリーな本ですね。いま、この本が時代を先取りしていたとして大きな話題となり、アマゾンでも上位になっているそうです。
こんな本を5年前に出しているなんて、三五館って凄いなあ!


                     銀座通りのようす

                    銀座三越前のようす

                     和光前のようす


星山社長は、東京にはすでに放射能が降っていると言われていました。
また、「一条さん、ぜひ銀座に行ってみなさいよ」と言われました。
その言葉通りに、四谷から丸の内線で銀座に行きましたが、真っ暗闇で仰天しました。
午後7時くらいだったのですが、和光の前も、銀座三越の前も、真っ暗でした。
わたしは、こんなに暗い銀座を見るのは初めてです。なんだか新鮮でした。


                  ハートフルライティングのすすめ


想像以上に暗かった東京ですが、個人的には悪くないと思いました。
もともと、日本人は暗さを好む民族です。
谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』にも書かれているように、暗さの中に美を見出すのが日本人です。そんなことを、かつて拙著『灯をたのしむ』(現代書林)にも書きました。
思えば、ドラッグストアにしろ、コンビニにしろ、これまでの東京は明る過ぎました。
これぐらい暗くて、ちょうどいいのかもしれません。
ということで、暗い東京を気に入ってしまいました。
やはり、物事は何でも前向きに「陽にとらえる」ことが大切です。
「暗い」という現実に対しても、陽にとらえましょう!
これは、けっして矛盾した表現ではありません。
ただ気になったのは、新橋でも四谷でも銀座でも、いずれも道行く人々の表情が暗かったことです。照明が暗いのはOKですが、人々の心が暗いのは心配ですね。
首都に笑顔が戻ることを願いつつ、23日の朝一番で北九州に帰ります。


2011年3月23日 一条真也