横浜のうた♪

一条真也です。

その土地の光を観ることを「観光」といいます。
観光的視点から作られた歌が、いわゆる「ご当地ソング」です。
ブログ「日本全国のうた♪」で、森進一の「港町ブルース」を紹介しました。
わたしが時々カラオケで歌う曲ですが、この中に「あなたの影を引きずりながら、港、宮古・釜石・気仙沼♪」という歌詞が登場します。言うまでもなく、宮古も釜石も気仙沼も、東日本大震災による大津波で壊滅状態になりました。
しかし、それらの港町の美しい情景は「港町ブルース」に面影が残されているのです。
ということで、今夜は横浜の歌をご紹介したいと思います。


久しぶりの横浜の夜は、節電で暗かったです。
かつて、いしだあゆみは「ブルーライト・ヨコハマ」で「街の灯りがとても綺麗ね、ヨコハマ」と歌いましたが、その面影はありませんでした。
初めて横浜を訪れ、これから住むことになる長女にとって、横浜は「夜になると暗い街」になってしまいました。ちょっと複雑な心境ですね。
わたしは「ブルーライト・ヨコハマ」が子どもの頃から大好きでした。
歌詞の中に「足音だけがついてくるのよ、ヨコハマ」というフレーズがあります。幼いわたしはそれを聴いて、目に見えない幽霊が後をついてくる怖い歌だと思っていました。
それにしても、この歌を歌った頃のいしだあゆみは美しかったですね。伊東ゆかり小川知子といい、あの頃の女性歌手は本当に美しい人が多かったように思います。


横浜の歌といえば、次に五木ひろしの「よこはま・たそがれ」を思い出します。
1994年に日本テレビ系で放映されたドラマ「夜に抱かれて」で、ホスト役に扮した少年隊の東山紀之が、冒頭でこの歌を歌うシーンがありました。
その歌いっぷりが、まことに艶っぽかったのです。
それ以来、わたしの中では、なんとなく「ホストが歌う曲」というイメージがあります。
とにかく、男の色気がプンプン漂ってくる歌ですね。この歌を発表した当時、作詞を担当した山口洋子はかなり五木ひろしを気に入っていたみたいですね。
清水アキラの物まねによって、「よこハメ・たてハメ」を連想する人もいるかもしれませんが(笑)、日本の歌謡曲を代表する名曲のひとつだと思います。


横浜といえば、隠れた名曲があります。
柴田恭平の「横浜DAYBREAK」です。
バブル全盛時の歌ですが、非常にスタイリッシュなムードに溢れています。
開港以来、横浜は日本における流行の最前線にして発信地でした。
わたしが学生時代には、「ハマトラ」、すなわり「ヨコハマ・トラディショナル」が女子大生の間で一世を風靡したことを思い出します。
さて、わが娘はどのような女子大生になるのでしょうか?
柴田恭平は、田中康夫原作の映画「なんとなく、クリスタル」の主題歌なども歌い、80年代には都会派の代表格でした。早い話、チョーおしゃれだったのです。
「なんとなく、クリスタル」というより、「たまらなく、アーべイン」だったのですね(笑)。


そして、横浜といえば、なんといっても「恋人も濡れる街角」です。
われらが桑田佳祐が作詞・作曲を手がけ、中村雅俊が歌った名曲ですね。
桑田さんらしい非常にセクシーな歌詞ですが、「不思議な恋は〜」という冒頭の歌詞のままに、とても不思議な魅力をプンプン放っています。
歌詞の中に、「馬車道」など、横浜の地名も出てきます。
長女の無事を願いながら、ときどき、この歌を口ずさんでみようかなと思います。
朝になったら、家族を横浜に残して北九州に帰ります。


2011年3月28日 一条真也