人間関係が良くなる講座

一条真也です。

今日は、14時から「よみうりFBS特別講座」を行いました。
場所は、JR小倉駅に隣接したKMMビル別館でした。
会場には多くの方々が集まって下さいました。


              澤田社長が挨拶と講師紹介をして下さいました

                  多くの方々が集まって下さいました


わたしの講座名は、「一条真也の平成心塾〜ハートフル社会を生きる、創る」です。
わたしが、これまで学んできた小笠原流礼法、孔子の思想、ドラッカーのマネジメント論などの根底に流れる「人間尊重」について語ってゆきます。
第1回目のテーマは「人間関係を良くする魔法」でした。
講演に先立ち、よみうりFBSカルチャーセンターの澤田孝雄社長からご挨拶および講師紹介をしていただきました。澤田社長とは、読売新聞のデスク時代から、もう20年来の知り合いです。北九州に帰ったとき、「読売新聞」の一面で大きくわたしを取り上げていただいて以来、ずっとお世話になっています。
最初に「無縁社会」や「孤族」について触れてから、「有縁社会」や「隣人」の重要性を説きました。それから、人間関係を良くする魔法を具体的に紹介していきました。


                  いよいよ「平成心塾」のスタートです

                  「無縁社会」について語りました


わが社では、昨年から「隣人祭り」開催のお手伝いをしています。
わが社の小ミッションは、「冠婚葬祭を通じて良い人間関係づくりのお手伝いをする」。
冠婚葬祭の根本をなすのは「礼」の精神です。
では、「礼」とは何でしょうか。それは、2500年前に中国で孔子が説いた大いなる教えです。平たくいえば、「人間尊重」ということです。
ですから、わが社では、さらなる大ミッションを「人間尊重」としています。
わたしは、人類が生んだあらゆる人物の中で孔子をもっとも尊敬しています。
孔子こそは、人間が社会の中でどう生きるかを考え抜いた最大の「人間通」であると確信しています。その孔子が開いた儒教とは、ある意味で壮大な「人間関係学」といえるのではないでしょうか。


                    「礼」について語りました


「良い人間関係づくり」のためには、まずはマナーとしての礼儀作法が必要となります。
いま、わたしたちが「礼儀作法」と呼んでいるものの多くは、武家礼法であった小笠原流礼法がルーツとなっています。
小倉の地と縁の深い小笠原流こそ、日本の礼法の基本です。
特に、冠婚葬祭に関わる礼法のほとんどすべては小笠原流に基づいています。
いま、小笠原流礼法などというと、なんだか堅苦しいイメージがありますが、じつは人間関係を良くする方法の体系なのです。
小笠原流礼法は、何よりも「思いやりの心」「うやまいの心」「つつしみの心」という三つの心を大切にしています。これらは、そのまま人間尊重の精神であり、人間関係を良くする精神ではないでしょうか。



原始時代、わたしたちの先祖は人と人との対人関係を良好なものにすることが自分を守る生き方であることに気づきました。
相手が自分よりも強ければ、地にひれ伏して服従の意思を表明し、また、仲間だとわかったら、走りよって抱き合ったりしたのです。
このような行為が礼儀作法、すなわち礼法の起源でした。
身ぶり、手ぶりから始まった礼儀作法は社会や国家が構築されてゆくにつれて変化・発展して今日の礼法として確立されてきたのです。
ですから、礼法とはある意味で護身術なのです。
剣道、柔道、空手、合気道などなど、護身術にはさまざまなものがあります。
しかし、もともと相手の敵意を誘わず、当然ながら戦いにならず、逆に好印象さえ与えてしまう礼法の方がずっと上ではないでしょうか。
まさしく、礼法こそは最強の護身術なのです。



さらに、わたしは礼法というものの正体とは魔法に他ならないと思います。
フランスの作家サン=テグジュペリが書いた『星の王子さま』は人類の「こころの世界遺産」ともいえる名作ですが、その中には「本当に大切なものは、目には見えない」という有名な言葉が出てきます。本当に大切なものとは、人間の「こころ」に他なりません。
その目には見えない「こころ」を目に見える「かたち」にしてくれるもの。
それこそが、立ち居振る舞いであり、挨拶であり、お辞儀などではないでしょうか。
それらを総称する礼法とは、つまるところ「人間関係を良くする魔法」なのです。


                  最後に「隣人の時代」を訴えました


魔法使いの少年を主人公にした『ハリー・ポッター』シリーズが世界的なベストセラーになりましたが、「魔法」とは正確にいうと「魔術」のことです。
それでは、魔術とは何でしょうか。西洋の神秘学などによれば、それは人間の意識、つまり心のエネルギーを活用して、現実の世界に変化を及ぼすことです。
ならば、相手のことを思いやる「こころ」のエネルギーを「かたち」にして、現実の人間関係に変化を及ぼす礼法とは魔法そのものなのではないでしょうか。
また礼法以外にも、江戸しぐさ、愛語、笑い、祭り、掃除など、人間関係を良くする魔法がこの世には多く存在します。それらのサワリを紹介しました。
最後には、究極の魔法である「隣人祭り」について話しました。
これからも、「天下布礼」の一環として特別講座を続けてゆきたいと考えています。


2011年3月31日 一条真也