されどこれより隣人の世

一条真也です。
今朝、サンレー本社で月初めの総合朝礼を行いました。
最初に、東日本大震災の犠牲者のために全員で黙祷を捧げました。


                     全員で黙祷しました


その後、わたしが社長訓示を行い、被災地への支援について、義援金の募集について、葬儀という営みがいかに「人間の尊厳」に深く関わっているか、そして今回の大震災を契機として日本に「隣人の時代」が訪れたことなどを話しました。
最後に、次のような短歌を披露しました。
「地は揺れて津波来たりて人死ぬる されどこれより隣人の世」



本当に、大震災以来、わたしたちの社会の方向性が一変したように感じます。
まず、あれほど声高に叫ばれていたエコ・ライフが一気に浸透しました。
それは首都圏の夜が暗くなってしまった事実を見ても、よくわかると思います。
計画停電ではなく節電によって、突如としてエコ社会が到来しました。
そして、「無縁社会」だの「孤族の国」だのは、大地震が崩壊させてしまいました。
「人はひとりで死ぬ」や「葬式は、要らない」などの妄言も、大津波が流し去りました。


                  「Yahoo! ニュース」より


さらに、「助け合い」「支え合い」が最大のテーマになりました。
今日、「Yahoo! ニュース」に「被災児童へランドセル=1週間で3万個、全国から  〜メーカー『心つなぎたい』」という時事通信社による記事が出ていました。
ランドセル・メーカーの協和(東京都千代田区)が、東日本大震災で被災した小学生にランドセルを贈ろうと、不要になったランドセルの寄付を募ったそうです。
同社の幹部が津波に流されたランドセルの写真を見て寄贈を発案し、3月23日からホームページで呼び掛けました。
すると、約1週間で全国から3万個以上が集まりました。
あまりにも集まりすぎて修繕や配送が追い付かないため、募集を中断したとか。
今年初め、プロレス漫画「タイガーマスク」の主人公などを名乗った児童施設へのランドセル寄贈が相次いだ際も同社への注文が増えました。
しかし、同社では「その時とは比較にならない」と驚いているそうです。



ブログ「タイガーマスク現象」ブログ「タイガーマスク運動」にも書きましたが、思えば、あれは本当に不思議な出来事でした。
なぜ、突如として、あのような出来事が起こったのでしょうか。
わたしは、そのとき社会の「無縁化」の反動ではないかと思いました。
さらに、今回の東日本大震災で日本人が助け合う無意識の「助走行為」ではなかったかと今では思います。国をあげてみんなが助け合い、支え合うウォーミング・アップではなかったかと思うのです。そのことを『隣人の時代』(三五館)にも書きました。


                  「読売新聞」4月1日朝刊


今朝の「読売新聞」の北九州版に、「施設の子ら募金活動」という記事が出ていました。
北九州市内の児童養護施設の子どもたちが、東日本大震災の被災者を支援するためにJR小倉駅前で募金活動をするというのです。
「ターがーマスク運動」で寄付を受けた子どもたちは、「お礼の気持ちを込め、今度は自分たちが手助けできれば」と企画したそうです。
この記事を読んで、わたしの胸は熱くなりました。
タイガーマスク運動」から「東日本大震災ボランティア」へ・・・・・。
やはり、大いなる「隣人の時代」が訪れたようです。
3日、わたしは小倉駅前に行き、募金に協力するつもりです。

               
          「タイガーマスク運動」から「東日本大震災ボランティア」へ


2011年4月1日 一条真也