隣人講演

一条真也です。

七夕の今夜、松柏園ホテルで講演を行いました。
「新北九州を考える会」の主催で、わたしもこの会のメンバーです。
かつて某銀行が主催していた「平成会」という若手経営者の勉強会を前身とするのですが、現在は経営者のみならず、大企業役員、県会・市会議員、大学教授、医師など、バラエティに富んだメンバーが集まって、新しい北九州市の姿を研究しています。


               「新北九州を考える会」で講演しました


2006年にも、わたしは同会で「ドラッカーに学ぶ」という講演を行いました。
それまで危機的状況にあったわが社をドラッカー思考によって切り抜けたという内容でししたが、地元でこういった話をするのには深い感慨があり、講演を終えた夜に「ふるさとでわが志述べた夜は 明日を想ひて一人酒飲む」という短歌を詠みました。


                「隣人の時代」について話しました


さて6年ぶりに講演した今日のテーマは、「隣人の時代」でした。
東日本大震災の発生から、多くの人々が隣人愛を発揮しています。
なぜ、人々は隣人愛を発揮するのでしょうか。
その答えは簡単です。それは、人類の本能だからです。
「隣人愛」は「相互扶助」につながります。「助け合い」ということです。
わが社は冠婚葬祭互助会ですが、互助会の「互助」とは「相互扶助」の略です。
よく、「人」という字は互いが支えあってできていると言われます。
互いが支え合い、助け合うことは、じつは人類の本能なのです。


                 「無縁社会」から「有縁社会」へ


昨年、「無縁社会」という言葉が流行しました。
日本の自殺率は先進国中でワースト2位となっています。
ここ数年は、「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き倒れ死」などが急増し、引き取り手のない遺体が増えています。その原因は、日本社会があらゆる「絆」を失っていき、「無縁社会」と化したことにあるというのです。 かつての日本社会には「血縁」という家族や親族との絆があり、「地縁」という地域との絆がありました。
日本人は、それらの「縁」を急速に失ってきたのです。
わが社では、各種の儀式の施行をはじめ、最近では「隣人祭り」や「婚活セミナー」などに積極的に取り組み、全力をあげてサポートしています。
これらの活動は、すべて「無縁社会」から「有縁社会」へ進路変更する試みです。
わたしたちは一人では生きていけません。誰かと一緒に暮らさなければなりません。
では、誰とともに暮らすのか。まずは、家族であり、それから隣人です。考えてみれば、「家族」とは最大の「隣人」だと言えるでしょう。


                  「人間の幸せ」について


現代人はさまざまなストレスで不安な心を抱えて生きています。
ちょうど、空中に漂う凧のようなものです。そして、わたしは凧が最も安定して空に浮かぶためには縦糸と横糸が必要ではないかと思います。
縦糸とは時間軸で自分を支えてくれるもの、すなわち「先祖」です。
この縦糸を「血縁」と呼びます。また、横糸とは空間軸から支えてくれる「隣人」です。この横糸を「地縁」と呼ぶのです。この縦横の二つの糸があれば、安定して宙に漂っていられる、すなわち心安らかに生きていられるのです。
これこそ、人間にとっての「幸福」の正体ではないでしょうか。
具体的な「隣人祭り」の事例や、「絆プロジェクト北九州」なども紹介しました。
今日の講演では、そんな話をさせていただきました。


                  講演後の懇親会のようす

                 大いに会話の花が咲きました


講演終了後は懇親会が開催され、多くの方々と楽しいお酒を飲みました。
さまざまな話題で、大いに会話の花が咲きました。
もちろん、復興相の辞任や九電メールなどのタイムリーな話題も・・・・・。


                最後は、杖をついて退場しました


最後に、わたしが杖をついて退場するとき、思いもかけず盛大な拍手をしていただき、感激しました。「早く足を完全に治して頑張れ!」というエールだと受け止めました。
今夜は、多くの隣人の方々と素晴らしい七夕の夜を過ごすことができました。
みなさん、今日は、ありがとうございました!



2011年7月7日 一条真也




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