月見会

一条真也です。

昨夜は、「月の織姫」こと築城則子先生の工房で「月見会」が開かれました。
「月ノリ子」と名乗るほど月が大好きな築城先生が開く月見会は、最高に風流です。
まさに、宴そのものがアートであるとさえ思います。これまで毎回参加させていただいていますが、ホスピタリティ・サービス業に関わる者として大変勉強になります。


                    後は宴を待つばかり

                  満月をイメージした前菜の皿

                     縁側のようす


昨夜は、少し早めに工房に八幡の猪倉にある工房にお邪魔しました。
すると、すでに宴席の準備が整っており、後は宴を待つばかりでした。
最初の前菜のお皿はいつものように満月をイメージした丸いものづくし。
わたしは、その美しさに目を奪われました。さすがです!
もちろん、縁側にはススキと団子も飾られていました。


                     月見会のようす


猪倉の工房では不定期に月見会が開催され、「北九州のヤクザな文化人の会」という秘密結社(笑)のメンバーが参加します。
じつは、このわたしも秘密結社の構成員の一員なのです。
ちなみに、この結社の大幹部は(株)岡野バルブ製造の岡野正敏社長、森川産業(株)の森川満社長のお2人で、「ダンディ・ミドル」こと(株)ゼンリンプリンテックスの大迫益男会長が中幹部、そして不肖わたしが小幹部となっております。今回も北九州を代表する重要人物の方々が月見会に参加され、美味しいお酒とお料理を堪能されました。
わたしも、大迫会長が持ってきて下さったシャンパンをたくさん飲ませていただきました。たぶん1人でボトル2本ぐらいは飲んだでしょうか、ほろ酔いになりました。


               京都から取り寄せた「満月」の饅頭

            Vサインをする森川社長。隣は日銀の服部支店長。


また、この宴では京都の「満月」という最高に美味な饅頭が出されます。
まるで満月そのものを食べているみたいで素敵なお菓子です。
饅頭の包み紙には「満」というシールが貼られています。
森川社長は自身のお名前が「満」であることから、この「満月」をこよなく愛しておられるとのこと。それにしても、満月を見ながら満月を食べるとは、なんという贅沢!


                      神秘的な満月

                     外から縁側を望む


夕方雨が降ったので、天気が心配でしたが、なんとか晴れてきて猪倉の上空に神秘的な満月が昇りました。夜も更けてくると月も上へと移動します。
余計な照明のない猪倉の山の稜線が黒いシルエットとなり、満月を中心にシャガールの絵画みたいに幻想的な「青い夜」を浮かび上がらせました。
この上ない絶景に、参加者の方々も大喜びでした。わたしは満月を見上げながら、この日で6回目の命日を迎えたピーター・ドラッカーのことを想いました。



楽しい宴も終わり、タクシーを呼んでいただいて帰ることになりました。
わたしは、森川社長と大迫会長と同じタクシーに乗るはずでしたが、大迫会長の姿が見当たりません。「あれ?」とは思いましたが、「一足先に帰られたのかな」と推測しました。しかし、森川社長が「いや、タクシーはまだ誰も乗せていないようだし、こんな山奥から1人で帰れるはずがない。おかしい」と冷静な判断をされました。
それから、しばらく大迫会長の捜索が行われました。
しばらくして、わたしのケータイが鳴るので、取ってみると大迫会長からでした。
「もしもし」とわたしが言うと、「もしもし、あのね、僕ね、トイレに閉じ込められたんよ」という大迫会長の声が・・・・・。あわてて築城先生の工房に引き返すと、築城先生ご夫妻が「もう、ここには誰もいませんよ」と言われます。
わたしが事情を説明すると、築城夫妻も仰天して、一同トイレへ。



カギを開くと、その中から長身の大迫会長がのそりと出てきました。
工房は古民家を改造しているため、外からトイレに鍵を掛けられる構造だったのです。
「閉じ込められたとわかった瞬間、声を出すなり、扉を叩くなりすれば良かったのに」と申し上げたところ、大迫会長は「それは僕の美学に反するんよ」と答えられました。
つまり、誰かが発見してくれるまで、声を立てずにじっと我慢しているつもりだったというのです。しかし、どうやらみんなが帰り支度を始めたことを察知し、「もし、誰にも気づかれずにここで一晩過ごしたら凍死するかもしれない」と思われたそうです。
そして、さんざん悩まれた末に断腸の思いでわたしに電話をされたというのです。
いやあ、わたしは酔いも醒めるほど驚きましたね。築城先生はもちろん、森川社長といい、大迫会長といい、北九州の方々は本当に優雅な方ばかりです。
北九州はけっして「文化の砂漠」などではないことを痛感しました。いや、ほんとに。
この「せっちん詰め」事件は、忘れえぬ思い出となりました(微笑)。



それから森川社長、大迫会長と3人でタクシーに乗って帰りました。
最初に森川社長が降りられましたが、豪邸の前では美人の奥様が立っていて御主人の帰宅を温かく迎えておられました。うーん、うらやましい!
その後は、大迫会長が到津のご自宅近くで降りられ、わたしは1人になりました。
すると、タクシーの運転手さんが「サンレーの社長さんでしょう」と言われるのです。
わたしが「ええ、そうですよ」と答えると、なんとその方はわが社の社員のお父さんだというのです。その方のお嬢さんも元わが社のホテルで働いており、現在はわが社の某結婚式場の支配人と結婚したというのです。その支配人は子どもが3人いるのですが、現在は単身赴任で大きな部署の責任者を務めています。
お父さんは「毎晩、子どもたちに電話をかけてくるんですよ」と言われていました。
わたしも社長として多くの社員の人事を預っているので、「それで彼を北九州に戻すことにしました」などとブログに書くわけにはいきませんし、またそのつもりもありませんが、しみじみと親子の情を語るお父さんの口調にはちょっとホロリときました。



「みんなが各地で頑張ってくれてるから、わが社も安泰で、わたしも呑気に月見をして酒など飲んでいられるのだ」と思うと、感謝の気持でいっぱいになりました。
そして、たまらなくなったわたしは小倉の堺町公園の前で下車しました。
そして、頼まれもしないのに、勝手に小倉の夜の街をパトロールして、サザンの歌などをカラオケで歌いながら、さらに大量のアルコールを体内に取り入れたのでした。
最後は腹が空いてきて、堺町公園に隣接した「力(ちから)ラーメン」というところで、これでもかというほど濃い(!)とんこつラーメンまで夜中に食べてしまいました。
帰りは、久々の午前様。泥酔のため、本も読まず、ブログも書かずに寝てしまいました。
まあ、たまにはいいか・・・・・なんくるないさ! うー、気持ち悪いσ(TεT;)



2011年11月12日 一条真也


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