新たに歩むために

一条真也です。

東京に来ています。
本日、今年最後の業界の会議が開催されるのです。
さまざまな出来事があった1年でしたが、なんといっても東日本大震災の発生に尽きるでしょう。未曾有の大災害における大量死を前にして、わたしたちも呆然としました。
今朝の「朝日新聞」には「BOOK TiMES」という読書特集が組まれています。
そこに、『のこされた あなたへ』(佼成出版社)が紹介されていました。


朝日新聞」12月21日朝刊



紹介文には、「東日本大震災がもたらした悲しみを乗り越えて今、新たに歩むために」という見出しがつけられ、続いて以下のように書かれています。
「大切な人を失ったとき、人は悲しみに沈む。いうまでもなく今年3月11日、多くの人が悲嘆に暮れた。そこで、今こそ残された人が悲嘆から回復する『グリーフケア』が必要と著者はいう。そのためには、発想を変える必要がある。『愛する人が亡くなったことにも意味があり、あなたが残されたことにも意味がある』と信じること、そして、『生』が幸福で『死』が不幸といった常識を乗り越えねばならない。冠婚葬祭の会社を経営する著者は、これまでも愛する人を亡くした多くの人と接してきた。そんな体験から、死をタブー視せず、悲しみを癒やすためにするべきことがあると説くのである。
本書で著者は、死に関する先人たちの知恵を紹介する。さまざまな名言、至言を紹介しつつ、『葬儀ができなかったあなたへ』『遺体がみつからないあなたへ』『お墓がないあなたへ』『遺品がないあなたへ』『それでも気持ちのやり場がないあなたへ』と優しく語りかける。たとえ死が二人を分かつことがあったとしても、再会の希望を持つことはできるという著者の言葉に勇気づけられる人は多いことだろう」



じつは昨日、「やくしん」という仏教雑誌のインタビューを受けました。
新刊『のこされた あなたへ』の著書としての取材でしたが、インタビュアーの女性編集者の方は「この本を読んで、何度もボロボロ泣きました」と言って下さいました。
その方のご親戚の方も、最近、若くして病気でお亡くなりになったそうです。
被災者に限らず、すべての「愛する人を亡くした人」へのメッセージブックとして、同書を遺族の方々にプレゼントしたいと言われていました。
上司である編集長さんたちをはじめ、周囲の方々も非常に感動して下さったそうです。
わたしは、これまで学んできたこと、経験してきたこと、感じてきたこと、考えてきたことのすべてを総動員して、心を込めて同書を書きました。
1人でも多くの「愛する人を亡くした人」に読んでいただき、その方が新たに歩むためのお手伝いをさせていただきたいと願っています。


2011年12月21日 一条真也