永井豪記念館

一条真也です。

輪島まで足を伸ばしたので、一度行きたかった「永井豪記念館」を訪れました。
有名な輪島の「朝市通り」に昨年オープンした場所です。
というのも、今年の2月に刊行した監修書『世界の幻獣エンサイクロぺディア』(講談社)の表紙を永井豪先生に描いていただいた御縁があるのです。


                  「永井豪記念館」の前で

                     記念館の玄関で


永井豪記念館」は、思ったよりも小ぶりな施設でした。
館内では一切撮影禁止とのことで、外にキャラクターが集合したポスターや前田利家の絵などがあったので、そこで記念撮影しました。
また、記念館の真向かいには「永井洋服店」というお店がありました。
記念館の受付の女性に尋ねると、永井先生はその洋服店で生まれたそうです。


                    前田利家の絵の前で

                     生家の永井洋服店


記念館をじっくり観た後、ショップで『奇想奇抜〜永井豪の40年』という定価2000円のカタログと、なんと「デビルマン」のトイレットペーパーを2個購入しました。
記念館のすぐ近くには、「重蔵神社」というお宮がありました。
中に入って参拝してみると、ものすごく強い気を感じます。また、魑魅魍魎も含めて目に見えない存在たちがうごめいているような神秘的なムードに満ちた神社でした。
おそらく、幼い頃から永井豪少年は、この神社を訪れ、よく遊んでいたことと思います。
永井先生の尋常ならぬイマジネーションを生んだ秘密というか原体験は、案外このミステリアスな神社にあったのかもしれないと想像しました。


                  カタログとロールペーパー

                   生家からすぐ近くの神社


さて、永井先生とコラボさせていただいた『世界の幻獣エンサイクロぺディア』の版元は講談社で、同社の創業100周年記念出版の一冊です。
永井豪とダイナミック・プロといえば、「デビルマン」「手天童子」「凄ノ王」などを生み出した日本最高の幻獣クリエイターです。
表紙は永井先生ご自身が描かれ、本書に登場する多くの幻獣のイラストはダイナミック・プロの精鋭陣が描いて下さいました。
わたし自身、小学生の頃から「デビルマン」の大ファンだったので、憧れの「永井豪」と「一条真也」の名前が並ぶなんて、本当に夢のようでした。
世界の幻獣エンサイクロぺディア』は「世界編」と「日本編」に分かれ、幻獣108体を各10タイプにカテゴリライズし、徹底解説しました。
「世界編」には、ドラゴン、ユニコーンケンタウロス、グール、マーメイド、サタン、ウィッチ、ヴァンパイア、ビースト、アンドロイドが収録され、「日本編」には、龍、鬼、天狗、河童、人魚、狐、狸、猫、蛇、幽霊が収められています。
それぞれの項目はさらに細かく分かれていきますが、わたしは、西洋の幻獣を「モンスター」、東洋の幻獣を「化け物」として大別しました。
永井豪とダイナミック・プロは、いずれも世にも恐ろしい姿で古今東西の「モンスター」や「化け物」たちを描いています。ぜひ、ご一読下さい!


                  「モンスター&化け物」図鑑!


2010年6月23日 一条真也

コピーキャット

一条真也です。

嫌な事件が起きましたね。
22日朝、広島のマツダの本社工場で11名の人が車に轢かれました。
そして、間もなく1歳になる娘を持つ男性が亡くなりました。
42歳の引寺利明容疑者は、自ら警察に連絡しました。
そのとき、「やったのは、わしじゃ」と言ったそうです。


なにより、衝撃的だったのは、容疑者が「秋葉原無差別殺傷事件」のような事件を起こしたいと思っていたと発言したことです。昨日、「孔子からのメッセージ」という講演で、秋葉原事件について話したばかりだったので、非常に驚きました。
2008年6月8日、東京はJR秋葉原駅近くの交差点で、2トントラックが歩行者天国に突っ込み、歩行者数人をはねました。そればかりか、さらにトラックから降りてきた男がサバイバルナイフで歩行者らを次々に刺したのです。
前代未聞の二重殺人行為で、7人が死亡、10人が重軽傷を負いました。
加藤智大容疑者は調べに対し、「人を殺すために秋葉原に来た」「世の中が嫌になり、誰でもよかった」と供述しました。
事件当日には携帯電話サイト掲示板に「秋葉原で人を殺します。車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います」などと書き込んでいました。
そんな事件をモデルにする者が現れたのです。
わたしは、もともと秋葉原事件には通常の無差別殺人とは違う大きな危険性を感じていました。あえて邪悪なヒントを世間に広めてはいけないと思い、文章などにも書くことを控えていました。でも、今回の事件によって、もう多くの人々はそのヒントについて知ってしまったことでしょう。
秋葉原事件が秘めていた邪悪なヒントとは何か。
それは、ずばり自動車さえあれば、いつでも無差別大量殺人が可能であることです。
苦労して銃やサリンを調達しなくても、自動車1台あれば、多くの人間が殺せる。
まさに、加藤容疑者はこのアイデアを世間に提供してしまったのです。
しかも、車を降りてからのナイフによる凶行のおまけつきで。
昨日の広島の事件の容疑者も、車で轢いた後はナイフで殺そうと考えていたそうです。



犯罪大国のアメリカでは、犯罪者がヒーローになることも珍しくなく、その犯行手口を模倣する「コピーキャット」という犯罪者もいます。
それどころか、自分の犯した犯罪は過去のどの有名事件をモデルにしたかを大衆に推理させることに快感を覚える輩も多いとか。
まるで和歌の「本歌取り」のように、どの犯罪を素材としたかを問題にするのです。明らかに、異常な世界ですね。
昨日の事件は、明らかに秋葉原事件コピーキャットです。
ネット空間などでは、酒鬼薔薇聖斗や加藤智大、さらには松本千津夫を英雄視する者も実在します。もっとも、そういう人物は匿名ブロガーと相場が決まっていますが。
わたしが、いま、一番怖れているのは、映画「告白」の青少年に与える影響です。
現在、興行成績が1位の大ヒット作ですが、人間の「悪」の部分を露骨に描いています。
だからこそ、衝撃的な問題作になったわけですが、作中で描かれている「悪」のインアパクトが非常に大きいので、それに感化される人間が出てこないかと思うのです。
ちなみに、アメリカのコピーキャットの世界で最大のヒーローは、エド・ゲインという連続殺人鬼です。彼は、「サイコ」「悪魔のいけにえ」「羊たちの沈黙」といった一連のダーク・ムービーの主人公のモデルになりました。
それらの映画は、さらなるコピーキャットを生み出しました。
1995年には、「コピーキャット」という映画そのものも公開されています。
映画とは、コピーキャットを誕生させ、また増殖させる力を持ったメディアである。
映画は人々を善に導く「白魔術」にも、悪に導く「黒魔術」にもなりうるのです。


2010年6月23日 一条真也

北陸総合朝礼

一条真也です。

金沢に来ています。
今日は、朝からサンレー北陸の総合朝礼を行いました。
会場の「マリエールオークパイン金沢」には社員150名以上が集まりました。


               150名以上の社員が参加しました


わたしは、昨日の無差別殺傷事件から話をはじめ、『葬式は、要らない』がベストセラーになったこと、また映画「告白」がヒットしていることなどの具体例をあげ、日本人の倫理感がきわめて危機的状況にあると述べました。
経営理念である「S2M宣言」には、「SUPPORT TO MORAL 〜倫理・道徳実践の支援」というものがあります。
わたしたちの仕事は、そのまま日本人が倫理を実践する、すなわち「人の道を歩む」お手伝いをしているのだと訴えました。
そして、「天下布礼」の旗を横に置き、ミッションである「人間尊重」の考えを世に広めていくことを全員で誓い合いました。

             
                  「天下布礼」を訴えました  


北陸本部長である東常務の挨拶の後、互助会、冠婚、葬祭各部門の責任者が挨拶。
それぞれ、現状の報告と今後の方針を述べました。
最後は、全員で手をつなぎ、「がんばろう!」を三唱する「和のこえ」で総合朝礼を締め括りました。
その後は会議や打ち合わせをこなしてから、北陸大学で「孔子研究」の授業を行い、そのまま小松空港に直行する予定です。
そして、小松〜福岡便の最終便で九州に帰ります。
日本人の倫理感が大きく揺れていますが、「天下布礼」のために頑張ります!


                「和のこえ」で気勢を上げました


2010年6月23日 一条真也