世界最強の男

一条真也です。

なんか「柔道一直線」の話題からはじまって、どんどん格闘技やプロレスの話に広げていったら、もともとが好きなほうですから、もう止まらなくなってしまいましたよぉぉぉぉぉ!(いきなり、ターザン山本風)

わたしは、とにかく幼少の頃から強い男に憧れていました。
一条直也に憧れ、大山倍達に憧れ、ウルトラマン仮面ライダーに憧れました。
誰の発言だったかは忘れましたが、「男は誰でも、最初は世界最強の男を目指していた」という言葉が記憶に残っています。
小さい頃、男の子は誰でも強くなりたいと願う。
それが叶わないと知り、次に「世界で最も速く走れる男」とか「世界で最も頭のいい男」とか、長じては「世界で最も女にモテる男」や「世界で最も金を稼ぐ男」などを目指す。
つまり、世界最強の男以外の「世界一」はすべて夢をあきらめた落ちこぼれにすぎないのだという意味ですね。
極論のようにも思えますが、「速さ」や「賢さ」や「魅力」や「金儲け」などより、「強さ」こそは男の根源的にして最大の願望であることは事実かもしれません。


「世界最強の男」という壮大な夢に向かって、日本人ファイターが挑んだ異種格闘技戦を3つ紹介したいと思います。
日本で開催された異種格闘技戦、あるいは総合格闘技の試合はたくさんありますが、この3つの戦いこそ、話題性、対戦相手の大物性、真剣勝負性、後の試合に与えた影響の大きさなどにおいて、他を圧倒しています。
まずは、伝説のアントニオ猪木vsモハメド・アリからです。
当時のわたしは中学生でしたが、あの世界のスーパースターであるアリが日本のプロレスラーと戦うこと自体が信じられませんでした。
当時はボロクソに酷評され、今では「猪木vsアリ状態」と呼ばれ、再評価されています。
15Rをひたすら寝て闘う猪木の姿に感動すら覚えます。


次は、前田日明vsアレクサンダー・カレリンです。
ボクシング界におけるアリのごとく、レスリング界における最大のスーパースターがカレリンでした。アリがアメリカの英雄であったように、カレリンはロシアの英雄でした。
新日本プロレス、UWFを経て、リングスを立ち上げた「新格闘王」前田の引退試合として実現した一戦ですが、前田はまったくカレリンに歯が立ちませんでしたね。
でも、「ヒザが壊れる前の元気いっぱいな頃の前田だったら・・・」と思ったのは、わたしだけではないはずです。
とにかくアリと同様、カレリンが異種格闘技の舞台に立ったこと自体が驚きでした。


そして最後は、高田延彦vsヒクソン・グレイシーです。
第1回&第2回の「アルティメット大会」を制したグレイシー柔術ホイス・グレイシー
そのホイスが「兄のヒクソンは、自分の10倍強い」といった強烈な幻想性。
同門・安生洋二が道場破りの返り討ちを食ったことにより、ついに立ち会った高田。
ヒクソンは、やっぱり強かった。



この後、ヒクソンは高田との再戦、パンクラス船木誠勝を引退に追い込んだ一騎打ちを経て、その年齢もあってか闘わなくなってしまいました。
この高田との再戦および船木戦は、友人の鈴木登士彦君と一緒に東京ドームで観戦しました。鈴木君は「せたがや均整院」の院長さんで、ずいぶん多くの格闘技の名勝負を一緒に観戦しましたね。
全盛期の桜庭和志ヒクソンとの対戦が実現しなかったのはくれぐれも残念です。
ヒクソンが高田戦の前に参加した「バーリ・トゥード・ジャパン」において、リングスの山本宜久に意外にも苦戦したことを考えると、桜庭なら何とかなったかもしれませんね。
後は、小川直也とか吉田秀彦といった柔道系のファイターとの一戦も見たかったです。
ヒクソンは、今頃、何をしているのでしょうか?
最後に、さらなる「最強」をお求めの方は、ブログ「『地上最強の生物は誰だ!?』」をお読み下さい。


2010年4月11日 一条真也