桜車

一条真也です。

昨日から小倉は小雨続きです。
桜も、いよいよ散ってきました。
以前は、満開の桜を美しいとは思っても、散る桜を見ても「ああ、惜しいなあ」ぐらいしか思いませんでした。
でも、今では、満開よりも散る桜こそに美しさを感じてなりません。
わたしもトシを取ったのでしょう。
良寛が詠んだとされる辞世の句に「散る桜 残る桜も 散る桜」というのがありますが、しみじみと心に染みますね。
わたしたちの命も、時間差はあれども、昔の人びとと同じように散ってゆくのです。

今朝、小倉紫雲閣に隣接した「月の広場」に植えられた桜の樹の下に社用車を停めておいたら、車の上に花びらがたくさん落ちてきました。まるで「桜車」です。


                 桜の樹の下に車を停めていたら


                    桜車になりました


                 桜車の車内から外をながめる


                庭のバードバスにも桜の花びらが・・・


車のグラスにも花びらがたくさん付いて、車内から見ると幻想的な光景です。
平安時代の牛車にも負けない優雅さです。
気がつけば、わが庭のバードバスにも、桜の花びらがたくさん浮かんでいました。
この春、桜茶や桜餅などの「桜」にまつわる飲食物をずいぶん味わいましたが、最後に桜車に乗れるなんて!
なんとも、素敵な桜からのラスト・プレゼントでした。
「散る桜 車の上に 降りつもり」(庸軒)

ようやく小雨も上がり、小倉の空も晴れてきました。
まだ風は強く、さらに桜が散っていますが。
今夜からは金沢へ入ります。
わたしの好きな兼六園の桜は、まだ咲いているでしょうか。


2010年4月13日 一条真也