Power Music♪

一条真也です。

High Music♪」で紹介した「スカイハイ」を聴いていたら、ミル・マスカラスの勇姿が瞼に浮かんでまいりました。
わたしは、幼少の頃から大のプロレス・ファンでした。
村松友視さんの『私、プロレスの味方です』は、三五館の星山佳須也社長が情報センター出版局時代に編集された本ですが、わが高校時代のバイブルでした。
そして、わたしは数々のプロレスラーのテーマ曲から大きな「パワー」を貰いました。
もともとプロレスというジャンルは、ロックとの相性が非常に良いようです。
中でも、聴くと力がモリモリ湧いてくるのがパワー・ファイターたちのテーマ曲です。

まず印象に強く残っているのが、「不沈艦」スタン・ハンセンの入場曲であるスペクトラムの「サンライズ」です。今でも高校野球の応援とか、プロ野球珍プレーおよびバラエティ番組の乱闘シーンのBGMなどにも使用される、一般的にも有名な曲です。


ハンセンは、新日本プロレスで猪木と名勝負を演じ、ビッグネームになっていきました。
その後、ジャイアント馬場全日本プロレスに引き抜かれます。
サンライズ」は、ハンセンが全日本プロレスに登場の際のみに流れました。
唯一の例外は1990年に新日本の東京ドーム大会に参戦し、「皇帝戦士」ビッグバン・ベイダーと戦ったときです。
わたしも観戦していましたが、東京ドームに「サンライズ」が鳴り響いたとき、「あ〜、ハンセンが新日本に帰ってきたよ〜」と感慨深いものがありました。(泣)
さて、ハンセンの得意技といえば御存知、ウエスタン・ラリアート
ぶっとい腕をそのまま相手の喉元に叩きつけるという、おそろしく原始的な技です。
新日本プロレス時代、ハンセンからこの技を一番見舞われたのが長州力でした。
何度も血反吐を吐いた長州は、この経験をバネに、ウエスタン・ラリアートにアレンジを加え、自らがリキ・ラリアートを開発して大ブレークします。
ところで、ライバルの藤波辰巳(現:辰爾)に言い放った「俺は、おまえのかませ犬じゃないぞ!」をはじめ、長州のコピー・センスは抜群でした。
初めて藤波を破ってベルトを太い腰に巻いたときの「俺にだって、一度くらい嬉しいことがあってもいいだろう!」も名言でしたねぇ。
ちなみに、この言葉は、わたしの口癖にもなりました。(笑)
そんな長州の入場テーマ曲が、「パワーホール」です。平沢進という人の作曲ですが、作曲者がプロレスにまったく興味がなく、長州の存在も知らなかったそうです。
そこで作曲のオファーが来たとき、「頭の中のプロレス会場のイメージだけで作った。プロレスは嫌いなので適当に作った」と発言しているそうなのですが、こりゃまたファンタジー満点のエピソードですよね。
「パワーホール」は「テクノの先駆け」とも呼ばれているそうですが、いま聴いても新しさを感じてしまいますよね。


そして、日本が生んだパワー・ファイターといえば、この人を忘れることができません。
破壊王」こと橋本真也です。
彼は若手の頃には「トンパチ」などとも呼ばれ、とにかく無鉄砲なことで有名でした。
それはプロレスラーとしてだけでなく、実の人生においてもそうでした。
具体的なエピソードを知ると呆れる話も多いのですが、つまるところ不器用な人間だったのだと思います。
それでも、彼には憎めないところがありました。
40歳の若さで他界したのは、かえすがえすも残念でした。
彼ほど、太く短く生きたプロレスラーはいませんでした。あの力道山を除いては。
その橋本真也の入場テーマ曲が「爆勝宣言」です。
曲のイントロがかかるのと同時に、「は〜しもとっ、は〜しもとっ」と橋本コールが鳴り響いたのが懐かしいですね。


最後に、わたしが元気が出ないときに、時々観る映像について御紹介しましょう。
それは、長州力橋本真也の口喧嘩です。
私生活でも仲が悪いことで有名だった2人でしたが、長州が現場監督を務める新日本プロレスと橋本率いるゼロワンが対抗戦を行うことになり、記者会見中の橋本に長州が殴りこみをかけたのです。


いきなり「おい、コラ!」と怒鳴る先輩の長州に対して、後輩である橋本は最初はじっと聞いていましたが、そのうちブチキレて、「何がコラじゃ、コラ!」と言い返します。
それから先は、2人とも「コラ!」の連発です。
2人合わせて、「コラ!」を何回言ったのかわからないぐらいです。
わっはっは。もう本当にサイコーですよぉぉぉぉぉ!(ターザン山本風に)
わたしは、この「コラコラ合戦」(わたしが命名しました)を観ていると、すごくスカッとするのです。こんなに「コラコラ」言えたら、どんなにストレスが発散できることでしょうか!
そして、酒に酔っ払ったわたしは、いつしか「コラコラ合戦」の映像に向かって、こう言うのです。「おまえらは何をコラコラ言い合っとんじゃ、コラ!」と。(笑)


2010年4月25日 一条真也