寂しいうた♪

一条真也です。

悲しいうた♪」を紹介したら、とことん暗い歌が聴きたくなりました。
「寂しいうた♪」とでも呼びましょうか。
まずは、カルメン・マキの「時は母のない子のように」です。
子どもの頃、この歌を初めて聴いたとき、「なんて、寂しい歌なんだろう」と思いました。
寺山修司による作詞ですが、こんなに寂しい歌が作れるなんて、やはり天才ですね。


それから、新谷のり子の「フランシーヌの場合」です。
最初に、この歌の存在を知ったのは、赤塚不二夫の「もーれつア太郎」でした。
作中で、たしかニャロメがこの歌を口ずさんだように記憶しています。
「フランシーヌの場合は、あまりにもお馬鹿さん」という歌詞の「お馬鹿さん」というフレーズに異様なインパクトがありました。
1969年3月30日、日曜日の朝、フランス人女性・フランシーヌ・ルコントがパリで焼身自殺しました。彼女は当時30歳でしたが、政治的抗議のために自らガソリンをかぶって火をつけたのです。
世界に衝撃が走ったこの事件を題材にしたのが、「フランシーヌの場合」です。
新谷のり子自身も、三里塚闘争の女性闘士でした。
この歌は、6月15日の「反安保の日」(樺美智子が死亡した1960年6月15日にちなむ)に発売され、約80万枚の大ヒットになりました。


最後は、森田童子の「ぼくたちの失敗」です。
森田童子の歌は、どれも暗いものが多いのですが、この歌も本当に暗い。
TVドラマ「高校教師」の主題歌に使われていましたが、このドラマも暗かったですね。
しかし、人間には暗い歌、寂しい歌が必要なときもあります。
寂しい歌を聴いているうちに、疲れきった心が癒されることがあります。
今のわたしには、この歌が心地よく聞こえます。


2010年5月30日 一条真也