リーダーの言葉

一条真也です。

鳩山由紀夫首相が辞任しました。
もちろん、カネの問題も大きいでしょう。
しかし最大の原因は、自分が発言したことが守れなかったことにあります。
リーダーの発言の重みをつくづく考えさせられました。


              沖縄の基地問題についての発言が命取りに


リーダーの発言とは何でしょうか。
東洋の帝王学の源流にある孟子は、「吾れ言を知る」と言いました。
そして、リーダーが口にしてはならない「言」を4つ挙げています。
第1に、ひ辞。偏った言葉。自分の都合のいいようにつける理屈。
第2に、淫辞。淫は物事に執念深く耽溺すること。
つまり、何でもかんでも理屈をつけて押し通そうとすることですね。
第3に、邪辞。よこしまな言葉、よこしまな心からつける理屈。
第4に、遁辞。逃げ口上のことですね。
すなわち、これら4つの言葉は、リーダーとして決して言ってはならない言葉なのです。



では、リーダーは何を言うべきか。
それは、ただ、ひたすら真実です。
リーダーは第一線に出て、部下たちが間違った情報に引きずられないように、真実を語らなければなりません。
部下たちに適切な情報を与えないでおくと、リーダーが望むのとは正反対の方向へ彼らを導くことにもなります。
そして説得力のあるメッセージは、リーダーへの信頼の上に築かれます。
信頼はリーダーに無条件に与えられるわけではありません。
それはリーダーが自ら勝ち取るものであり、頭を使い、心を込めて、語りかけ、実行してみせることによって手に入れるものなのでしょう。



それにしても、日本の首相が4代続けて1年足らずで辞任しました。
これは、明らかに異常事態です。
次の首相は誰になるのでしょうか。
次のリーダーは、どんな言葉を語るのでしょうか。


2010年6月3日 一条真也