リーダーの条件

一条真也です。

いま、東京は永田町のすぐ近くにいます。
次の首相は、どうやら菅直人さんになりそうですね。
今朝の「朝日新聞」に、「首相にはこれを望む」という特集記事がありました。
新リーダーに求める条件や資質についての、全国の有権者の声を集めたものです。


                  6月4日付「朝日新聞」より


それによると、「強さ」「信念」「統率力」「言葉に責任」「大物感」「うそはダメ」「心意気」「判断力」「若さと決断」「頼りがい」などが挙がっていました。
たしかに、どれもリーダーに必要なものばかりですね。
ローマ史に詳しい作家の塩野七生氏は、リーダーとして成功できる男の最重要条件について述べています。それは、イタリア語では「セレーノ」、日本語では「晴朗」といった雰囲気を醸し出すことだそうです。
あのハンニバルを打ち破ってローマを勝利に導いたププリウスコルネリウススキピオは、若い頃からこれを完全に持っていたといいます。彼が演壇の上に立っただけで、人々にはこの若者を支持したい気持ちが湧いてきたというのです。
晴朗な人間とは、いわば、小さな太陽です。その人物がいるだけで、どことなく周囲が明るくなる。あたたかくなる。気持ちがよくなる。そんな太陽のような人間のことです。
政治家だけでなく、経営者も、いつも「晴朗」であることに努めたいものです。
「晴朗」は「真摯さ」というものにつながります。
ピーター・ドラッカーは、リーダーシップについて語るにあたり、何よりも「真摯さ」の重要性を説きました。真摯さはごまかせません。ドラッカーいわく、ともに働く者、特に部下には、上司が真摯な人間であるかどうかは数週間でわかります。
彼らは、上司の無能、無知、頼りなさ、態度の悪さには寛大かもしれません。
でも、真摯さの欠如だけは絶対に許しません。
また、そのような上司を選ぶ者も許しません。
わたしは、このドラッカーの「真摯さ」という考え方に大きな影響を受けました。
どこまでできるかわかりませんが、いつも真摯な人間でありたいと願っています。


2010年6月4日 一条真也