リーダーの人事

一条真也です。

菅直人新首相が誕生しましたね。
早速、入閣メンバーが選ばれることになります。
菅首相は記者会見で「適材適所」を強調していましたね。  


そう、「適材適所」は人事の理想です。
ピーター・ドラッカーは、「人が主役」のマネジメントを追求しました。
当然ながら、ドラッカーにとって人事は当然重要問題でした。
ドラッカーは人事の達人として2人の人物の名をあげています。
1人は、アメリカ陸軍参謀長を務めたジョージ・C・マーシャル。
もう1人は、GMの経営者アルフレッド・スローンです。
2人は、これ以上考えられないほどに互いに異質な存在でした。
しかし、2人は同じ考えのもとに人事を行なっていました。
共通する4つの原則があります。
第1に、ある仕事につけた者が成果をあげられなければ、人事を行なった自分の間違いであるということ。
第2に、責任感のある者が成果をあげられるようにしなければならないこと。
第3に、あらゆる意思決定のうち、人事ほど重要なものはないということ。
なぜなら、組織そのものの能力を左右するからです。したがって、人事は正しく行なわなければなりません。
第4に、人事には避けなければならないことがあるということ。
外部からスカウトしてきた者に、初めから新しい大きな仕事を与えてはなりません。
リスクが大きい仕事は、どういう人物にやらせるべきか。それは、仕事のやり方が明らかであって、かつ組織内で人望のある者に任せるべきです。
以上が人事の原則です。



以下は人事の手順です。
第1に、仕事の中身をつめなければなりません。
第2に、複数の候補者を検討しなければなりません。
ドラッカーによれば、仕事には相性があるので常に3人から5人の候補者について検討しなければならないそうです。
第3に、強みを中心に検討しなければなりません。
第4に、候補者についてよく知っている人物の考えを聞かなければなりません。
人の評価に際しては、誰でも何がしかの片寄りや好き嫌いがあるものです。
そのため、必ず複数の人間の考えをきかなければなりません。
第5に、新しいポストにつけた者に、仕事の中身を理解させなければなりません。
結局、人事とはマネジメントの究極の手段なのですね。
それは、政治でも経営でも同じことだと思います。


2010年6月4日 一条真也