夜の赤坂

一条真也です。

昨夜、互助会業界の関係者と赤坂で食事をしました。
赤坂サカスで待ち合わせをしたのですが、TBSの本社前に「宇宙戦艦ヤマト」のオブジェが飾られており、その前に人だかりが出来ていました。
実物(?)の14分の1の大きさだそうですが、ちょうど今夜までの展示だそうです。


                   宇宙戦艦ヤマトの勇姿


赤坂サカスのクリスマス用電飾もきれいでした。
でも、金曜の夜にしては心なしか人の数が少ないような・・・。
聞くと、TBSの経営も苦戦しており、博報堂も他の場所に移転する話が出ているとか。
わたしも昔は広告業界に身を置いていましたが、昨今の広告代理店やテレビ局の苦境は大変だと思います。ネットや地デジなどの変化も含めて、メディアの世界そのものが大きく地殻変動を遂げつつあると実感します。それは、わたしの周囲の出版関係者が、みんな電子書籍を研究していることからもわかります。


                  赤坂サカスのイルミネーション


ところで、わたしは赤坂に来ると、ほっとします。
赤坂見附だと、もっと落ち着きます。東急エージェンシーの本社があり、常宿も赤坂見附だからです。また、「東京の止まり木」ことカラオケ・スナック「DAN」もあります。
ホテル・ニューオータニや赤坂エクセルホテル東急も、よく打ち合わせで利用します。
ホテルといえば、この地の名物でもあった赤坂プリンスホテルが近く取り壊されます。


             赤坂プリンスホテルの巨大クリスマス・ツリー


その赤プリ全体に巨大なクリスマス・ツリーが浮かび上がっています。
毎晩、多くの人々の目を楽しませ、写メを撮影する人の姿も目立ちます。
この巨大クリスマス・ツリーもシーズンが終われば、消えてしまいます。
そして、ホテルそのものも、もうすぐ消えてゆきます。
戦艦大和は海底に沈み、宇宙戦艦ヤマトのオブジェも明日にはなくなっています。
地デジや電子書籍は、新しい時代の訪れを告げています。
消えゆくもの、これから来るもの。「不易流行」、いや、「諸行無常」といった言葉が思い浮かび、なんだかセンチメンタルな気分になりました。



そして、わたしは、人間の「いのち」のはかなさをも思いました。
どんなに幸せに生きた人も、どんなに美しかった人も、いつかは人生を卒業していく。
先日、肺がんで歌手のシルヴィアさんが亡くなられました。
「別れても好きな人」や「コモエスタ赤坂」で、赤坂の魅力を歌い上げた人でした。
赤プリのツリーを見上げながら、心より彼女の冥福を祈りました。合掌。


2010年12月4日 一条真也