ビスクドール展

一条真也です。

ムーンギャラリー小倉本店で、「箱の中の小さなビスクドールの世界展」が開催されました。魅力的なビスクドールの数々は、すべて山藤ひとみさんの作品です。


                    山藤ひとみさん

                   箱の中の小さな世界  

                  さまざまなビスクドール


山藤さんは、福岡県中間市在住のビスクドール作家です。
わたしの著書をよく読んで下さっているそうです。
特に、『涙は世界で一番小さな海』(三五館)と『最期のセレモニー』(PHP)を愛読されているとか。いやあ、とても嬉しいですねぇ。
山藤さんが創ったビスクドールを眺めていると、とても温かな気持ちになります。
ビスクドールとは陶磁製人形のことです。最高温度1230℃で焼成され、その質感はまるで赤ちゃんの柔らかい肌のようです。「シャドウボックス」と呼ばれる奥行きのある額の中の子どもたちの姿には癒されますね。


                  ネオ ベネチアン マスク

            光と影のバランスが「静寂の時」を表現しています


会場には多くの作品が飾られていますが、とくに目を引くのは「ネオ ベネチアン マスク」という仮面です。わたしはマスクが好きで、書斎にもいろいろ飾っているほどです。
この陶磁製のマスクは、光と影のバランスが「静寂の時」を表現しています。
じっと見ていると心が洗われる気がします。
でも、どうしても東日本大震災の犠牲者のデスマスクのように思えてしまいます。
また、何かを必死に祈っている顔のようにも見えました。


                    山藤さんと一緒に


この日本中が混乱している時機では仕方ありませんが、もっと大震災と開催期間が離れていれば、たくさんのお客様がこの素晴らしいビスクドールを見に来てくれたことでしょう。それを考えると少し残念ではあります。
今後も、山藤さんの作品は必ず多くの方々から愛されることと思います。


*このブログ記事は、991本目となります。


2011年3月18日 一条真也