コンプライアンス会議

一条真也です。
今日は、サンレーグループの全国コンプライアンス責任者会議が開催されました。
わが社では、営業・総務・経理・冠婚・衣装・葬祭の各責任者会議を開催しています。
しかし、コンプライアンスのみの責任者会議というのは今日が初めてでした。


                      会議のようす


コンプライアンス」とは、「法令遵守」という意味です。
偽装表示、欠陥隠蔽、詐欺的販売、個人情報漏えい・・・・・。
消費者の信頼を揺るがす不祥事が続発しています。
こうした企業の多くが法令違反を問われ、社会から厳しい批判にさらされています。
行政処分によって、業界の最大手企業が忽然として消滅する事態も現実に起こっています。まさに、正しいことをしないと損をするのです!
企業においては、消費者保護をより一層重視する姿勢が求められています。
消費者に対して儀式サービスを提供する冠婚葬祭互助会も例外ではなく、わが社では、これまで以上に消費者保護を意識し、コンプライアンス委員会を設置しました。
もともと日本は法治国家ですから、法令遵守は当たり前の話。法律を超えて消費者の視点に立ち、国民が安心して暮らせる社会を目指さなければなりません。



わが社では、「コンプライアンス管理の実践」を次のように3項目にまとめています。
1.私たちは、営業をする際、社名・氏名・目的を告げて、人間関係づくりに努め、必要以上の契約は致しません。
1.私たちは、加入意思のないお客様に対し、執拗な勧誘は致しません。
1.私たちは、不実告知、不利益不告知、他社の誹謗・中傷をすることなく、説明責任を尽くし、誠実に営業をします。



さらに、コンプライアンス管理に力を入れるわが社としては、さらに管理を万全にすべく、今日、初の責任者会議を開催したのです。
各地の各部署から約20名の責任者が参集し、わたしも1時間の社長訓示をしました。
最初に杖で登場したわたしは、「日頃からみなさんがしっかりやってくれているので安心しています。わたしは、屋上で煙草でも吸っていようかと思う」とドラゴン・ジョークをいきなりブチかました後、1時間の間、随所にドラゴン・ワードを散りばめてみました。
参加者の反応は、なかなか上々だったと思います。


                    性善説について考える


さて、わたしは次のような話をしました。
「法」というコンセプトをよりよく理解するためには、どうすべきか。
それは、儒教の人間尊重思想である「礼」というコンセプトと対比するとよい。
孟子は、人間はもともと良い性質を持っているのだという性善説を唱えた。
それに対して荀子は、人間の本性は悪であって、善というのは「偽り」であるとの性悪説を主張した。ここで言う「偽り」は、現在の私たちが言う「偽(にせ)」ではなく、ニンベン(つまり、人)にタメ(為)と書く「人為」、つまり後天的という意味である。先天的には人間の性は悪であるが、後天的に良くなるのだというのだ。
そこで悪を抑えるものとしての「法」が重視されるわけである。



そして、次のような話をしました。
荀子の門下からいろいろな弟子が出た。
韓非子』の韓非や秦の政治を支えた宰相の李斯などが有名である。
もともと秦には法家の伝統があり、商鞅が法律万能、厳罰主義を政治の基本とし、それで秦が強くなったことはよく知られている。
秦にはもともと法家の説に基づいて政治をやってきたという伝統があり、李斯はその伝統にしたがって秦の政治に携わったわけである。
もとより始皇帝その人自身が焚書坑儒で知られるように徹底した儒教嫌いだった。
中国統一のために、「礼」よりも「法」を好んだのである。
しかし、法による政治で中国を統一したものの、秦はわずか14年しか存続しなかった。

 
                  「法」と「礼」のバランスを説く


そして、次のような話を続けました。
その反対に長きにわたって繁栄したのがローマ帝国である。
東ローマ帝国の滅亡まで、実に1500年以上も続いている。
このローマ帝国も「法」によって治められていた。世界中に影響を与えたローマ法は有名だが、初代皇帝アウグストゥスが何よりも「法」を重んじた。
たとえば、ローマ帝国で深刻な問題となっていた離婚と少子化を食い止めるために、彼は2つの法律を成立させて、これらを見事に減少させている。
作家の塩野七生氏は、「古代の西欧世界において人間の行動原理の正し手を、ユダヤ人は宗教に、ギリシャ人は哲学に、そしてローマ人は法律に求めた」と述べている。
ローマ人は、現実世界に対する法律の影響力の大きさを証明したと言えよう。
最後に、「法」と「礼」のバランスを図って、「信頼ある会社づくりを」と訴えました。



訓話の後は、場所を松柏園ホテル本社からサンレーへと場所を移して、懇親会が開かれました。今日は猛暑だったので、冷えたビールも焼酎ハイボールもおいしかった!
ついつい、骨折上がりにも関わらず、飲み過ぎちまいました。
明日は、新しい紫雲閣の地鎮祭が行われます。


2011年7月6日 一条真也