観光振興大会

一条真也です。

本日、全国商工会議所の「観光振興大会in関門」が開催されました。
会場は、北九州市小倉北区にある「アルモニーサンク北九州ソレイユホール」です。
全国から過去最高の1700名以上の方々が参加されました。


               日本商工会議所・岡村正会頭の挨拶

              北九州商工会議所・利島康司会頭の挨拶
 
                  紱川恒孝先生の基調講演


開会式では、日本商工会議所の岡村正会頭(東芝会長)、北九州商工会議所の利島康司会頭(安川電機会長)、北九州市北橋健治市長らが挨拶されました。
それから、(財)紱川記念財団理事長で(財)WWF世界自然保護基金ジャパン会長の紱川恒孝先生の基調講演が行われました。
テーマは「共生・エコ社会の日本を考える〜江戸に学ぶ、観光・文化・生活」でした。
1.戦国から265年の平和の確立へ、2、17世紀「武」から「文」への大転換が行われた世界唯一の国家=日本、3.新しい「文」の時代の為政者である武士の心得、4.日本を支えた世界一の教育水準、5.神・儒・佛の作った江戸社会の精神、6.人口爆発などについて話されました。非常に共感できる素晴らしい内容でした。


              パネルディスカッション「新しい時代の観光」


基調講演に続いて、いよいよパネルディスカッションが行われました。
テーマは、「新しい時代の観光」〜連携観光の明日を考える〜。パネリストは、田中亮一郎氏(北九州商工会議所副会頭・第一交通産業社長)、古城春樹氏(下関市長府博物館館長)、菊田あや子氏(TVリポーター・下関ふく大使)、そして、わたしの4人、コーディネーターが丁野朗氏(日本観光振興協会常務理事・総合研究所長)でした。


                  パネルディスカッションのようす


最初に、コーディネーターの丁野氏から以下のような趣旨が説明されました。
「北九州門司と下関地域は、最短部わずか700m余という、それぞれの都市空間の中にある身近な『街なか海峡』という地理的特性から、市民間の活発な生活交流をはじめ、経済、教育、行政など、それぞれの分野での積極的な連携・交流活動が行われ、全国のモデルとなる多くの実績を積み上げてきました。北九州市下関市は、観光の分野においても、それぞれの資源の強み(弱み)や個性・固有のテーマをもっていますが、『関門』というエリアを核に、それぞれの強みと弱み、個性を補完し、回遊性の高い魅力的で一体的な地域としてブランド化する努力を進めています。
全国の商工会議所でも、特にプロックや県境をまたぐ交流・連携ができている地域は少なく、今回の観光振興大会では、関門のこれまでのさまざまな交流の経験をアピールするとともに、『連携観光』の新たな可能性と手法などについて討議したいと思います」


                北九州の強み資源を紹介しました


テーマは2つに分かれ、まずは「テーマ1」として、「連携」を前提とした両地域の特異性・強みは何か、連携と相互補完による総合的な地域魅力の向上をどう図るかが語り合われました。わたしは、田中氏とともに北九州の強み資源と両地域の交流・相互補完について説明しました。特にわたしは、北九州の強み資源とこれらを活かすホスビタリティーの重要性について以下の3点から話しました。
1.まちづくりの基本コンセプト〜近代の歴史・ロマン薫るまち〜行ってみたい、暮らしてみたいまちづくり(北九州市観光振興プランより)をもとに、門司港レトロ森鴎外火野葦平松本清張らロマン薫るまちづくりについて
2.重点的な取り組み〜百万市民によるおもてなしの充実。
3.まとめ〜高齢者福祉施設の相互利用。公害の街⇒環境の街⇒隣人愛の街。地域ホスピタリティーの向上など。


                     礼の心でおもてなし


また、「テーマ2」として、関門両地域の強み資源を活かす新たな観光の仕組みづくりが取り上げられました。趣旨は、テーマ1の討議を踏まえて、両地域の交流や相互補完を継続的な仕組みとして発展させ、回遊性・滞在性の強い魅力的な地域として磨いていくための仕組みづくりや具体的手法について討議するというものです。
ここでは特に、(1)滞在性・回遊性向上に向けた仕組みづくりと、これらを支える、(2)交流の懸け橋となる組織づくり・人づくりのテーマをきっかけに討議しました。
わたしは、以下の2点についてお話しました。
1.交流の懸け橋となる組織づくり・人材づくり〜小笠原流礼法にのっとった礼法教育の実践、おもてなしブランド、関門おもてなし検定、観光案内ボランティアの充実、「百万にこにこホスピタリティー運動」の関門版など。
ここで、伊勢の観光ボランティアの事例などを紹介しました。
2.紱川先生の基調講演を踏まえ、江戸時代に学ぶ観光戦略について語りました。特に、わが社が取り組んでいる高齢者の旅行クラブである「旅講」の話にふれました。


                 関門を見ずして観光と言うなかれ!


最後に、会場の皆さんへの「一言メッセージ」がありました。
これは、パネルディスカッションのエンディングとして、会場に向けて、パネリストから一言ずつ短いメッセージを送るというものです。
各自、フリップにキーワードを記入してアピールします。
菊田さんは「ぐるっと関門へカモーン」、古城氏は「海峡萌え」、田中さんは「いいじゃん!!地元」というキーワードをフリップに書かれました。
わたしは、「関門を見ずして観光と言うなかれ」と書きました。
これは、「日光を見ずして結構と言うなかれ」のもじりです。ちなみに、日光は徳川先生のご先祖である家康公を祀る東照宮があり、わた自身が観光に訪れたばかりです。
関門には、自然、歴史、産業、グルメ、そしてホスピタリティのすべてがあります。特に、高齢者の多さを強みとする北九州は高齢者にやさしい観光都市をめざしたいです。
本当は、「ナポリを見て死ね」のもじって、「関門を見ずに死ねるか」とか「関門を見て死ね」というのも考えたのですが、強烈すぎるので止めておきました(苦笑)。ということで、全国商工会議所の「関門観光振興大会」は大盛況のうちに幕を閉じました。


               またのお越しをよりお待ちしております!


それにしても、幕末、高杉晋作率いる長州軍は関門海峡を越えて小倉に攻め入り、幕府軍のシンボルであった小倉城を燃やしました。それが大きな契機となって、時代が一気に明治維新へと進んでいったとも言われます。かつて戦争をした下関と北九州が、今や「観光連携」という最も平和的なテーマに取り組んでいる。
しかも、この場には最後の将軍・紱川慶喜公の子孫である紱川恒孝先生もおられる。
これほど平和なことはありません。わたしは、幕末に尊い命を落とした官軍・幕府軍の多くの武士たちのことを思い、感無量になりました。



観光とは、まず何よりもこの上なく平和な営みだと思います。
そして、観光とは、その土地の「光」を観ることです。
みなさん、ぜひ今後も関門の「光」を観にいらして下さい。
わたしも、みなさんの土地の「光」を観に行かせていただきます。
またのお越しを心よりお待ちしております。
今日は、日本全国から多くの方々にお越しいただき、本当にありがとうございました!


                    パネリストのみなさんと


2011年11月24日 一条真也


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