選定図書

一条真也です。

昨日、佼成出版社の編集者の方から連絡がありました。
わたしは、同社から昨年末に『のこされた あなたへ』を刊行しています。
その本が、このたび「日本図書館協会選定図書」に選ばれたという報告でした。


朝日新聞」1月27日朝刊(東京本社版)



これまでにも、『結魂論』『老福論』(ともに成甲書房)、『茶をたのしむ』にはじまる一連の「日本人の癒し」シリーズ(現代書林)などの著書が「日本図書館協会選定図書」に選ばれています。これに選定されると、全国の公共図書館学校図書館などに本が置かれますので、当然ながら多くの方々に目に触れやすくなります。ありがたいことです。
また、今朝の「朝日新聞」東京本社版に『のこされた あなたへ』の書籍広告が掲載されました。「遺族の実情に合った新しいグリーフケアのあり方を提案する」というコピーが付いています。同書のサブタイトルは、「3・11 その悲しみを乗り越えるために」です。
同じテーマで玄侑宗久氏が書かれた『地蔵のこころ 日本人のちから』と一緒の掲載でした。敬愛する玄侑氏の著書と拙著が並べられて嬉しかったです。


鎌田東二氏(左)、玄侑宗久氏(右)とともに



わたしは、玄侑氏とは御縁があります。
初めてお会いしたのは、2006年12月24日、なんとクリスマス・イヴでした。
この日、わたしは「バク転神道ソングライター」こと鎌田東二氏が理事長をつとめる「NPO法人東京自由大学」で行われた玄侑氏の講演会を訪れたのです。
講演は刺激的な内容で、「すべては虹である」という最後の言葉が心に残りました。
講演後には、東京自由大学でクリスマス・パーティーが催されました。
玄侑氏には、拙著『ロマンティック・デス〜月を見よ、死を想え』(幻冬舎文庫)の解説を書いていただきました。オリジナル版の『ロマンティック・デス〜月と死のセレモニー』(国書刊行会)は鎌田氏に捧げたものです。つまり『ロマンティック・デス』をめぐって、わたしは両氏との御縁をいただいたわけです。そして同書の実践編が、このたび上梓した『のこされた あなたへ』ではないかと考えています。



わたしは、敬愛する両巨頭とイブの夜を過ごせて、感慨深いものがありました。
わが書斎と社長室には、鎌田氏と玄侑氏とわたしのスリーショット写真が飾られています。「出版寅さん」こと内海準二さんが撮ってくれたものですが、両巨頭の間に挟まれて、わたしがニッコリ笑っています。
「神の道」を求めておられる鎌田東二氏、「仏の道」を歩まれる玄侑宗久氏、そして、わたしはやはり孔子の思想的末裔として「人の道」を進み行きたい。
まことに不遜ながら、お2人とともに日本人の死生観にレボリューションを呼び起こして、いつの日か2006年12月24日が「あの3人が参集していた聖夜」と、後世の人々に語り継がれてみたい。そのためにも一層の精進を重ねることを誓った夜でした。


3・11 その悲しみを乗り越えるために



なお、「朝日新聞」の広告ですが、九州版は今月30日に掲載されるそうです。
その他の新聞、雑誌等への広告出稿のスケジュールは次のようになります。
2月 1日   「西日本新聞」「福島民友」「福島民報
2月 2日   「新文化通信」
2月18日   「ほんとうの時代」3月号
2月25日   「新宗教新聞
広告を掲載していただける佼成出版社さんに感謝いたします。
じつは、わたしは2月6日に浄土真宗の僧侶の会で講演をします。テーマは「葬式必要論」と「有縁社会」ですが、ここで『のこされた あなたへ』のお話もさせていただきます。
また、6月に曹洞宗の僧侶の会で講演することが本日決定いたしました。
今まで、わたしは神社の宮司さんたちの集まりで講演をしたことがあります。
しかし、僧侶の方々の前で話すのは初めてです。
「こころの時代」においては、仏教も神道儒教も関係ありません。そして、3・11の大きな悲しみを乗り越えるためには、仏教も神道儒教も日本人にとって必要です。
さらには、冠婚葬祭の中には仏教も神道儒教もすべて含まれています。
わたしは、冠婚葬祭業者として、今後も日本人の「こころ」を見つめていく所存です。


2012年1月27日 一条真也