運転免許証更新

一条真也です。

今日は「13日の金曜日」ですが、運転免許証の更新に行ってきました。
5月10日の誕生日の1か月前から1か月後までに更新しなければなりません。
これから海外出張や受賞祝賀会などもあり、スケジュールが立て込んでいます。
ですから、なるべく早く、行けるうちに行こうと思ったのです。


北九州自動車運転免許試験場

運転免許証更新のため、オレ参上!



朝一番で、小倉南区日の出町にある「北九州自動車運転免許試験場」に行きました。
朝から、わたしはウキウキ気分で、ニヤニヤしていました。
なぜなら、今回わたしが受けるのは、なんと「優良講習」だからです。
19歳で免許を取って以来、「優良講習」を受けるのは初めてです。
今までずっと、スピード違反、駐車違反などで、点数を引かれ続けてきた人生でした。
そのわたしが、ついに「優良ドライバー」になったなんて!
じつに、苦節30年! もう、天にも昇る気分ですね。


視力検査コーナー

指名手配犯コーナー



試験場に着くと、申し込みをして、申請書類を作成し、視力検査を受けました。
そこから、写真撮影や講習が行われる2階へ移動します。
途中の階段に、いろんな指名手配犯の顔写真が貼ってありました。
オウム真理教関係の特別手配から平田信容疑者が消えています。
「優良ドライバー」として扱われる嬉しさから、わたしがニヤニヤしながら指名手配犯の顔写真を見ていると、脇を通った中年の婦人が気味悪そうにしていました。
2階に上がって免許証用の写真を撮影してから、講習室に入りました。


講習室前のようす。



「優良講習」は、なんと30分で済むそうです。
他の講習を受ける人たちは、1時間や2時間だそうです。
うふふ、この差は大きいですね。時は金なり! 
正しいことをすれば、損をしないわけですな(`ー´) ドヤッ!


興味深い内容の『遅すぎた反省』



講習では2冊の冊子を貰いました。『わかる 身につく 交通教本』警察庁交通局監修(全日本交通安全協会)、『遅すぎた反省』(福岡県警察本部交通部運転免許試験課)の2冊です。受け取ったとき、わたしは「おおっ!」と思いました。
教本は別に何とも感じませんが、『遅すぎた反省』はわたしの愛読書なのです。面白いといっては不謹慎かもしれませんが、とにかく興味深い内容で、いつも熟読します。
「免許取り消しになった人達の声」というサブタイトルがついているように、重大な交通事故を起こしてしまった人々の反省の念を綴った文集です。
これが非常に怖い内容で、読むと考えさせられるのです。
今日も、受け取るやいなや、46ページの冊子を一気に読了しました。



今回の『遅すぎた反省』で印象に残った「取り消し処分者の声」を紹介します。
●人から言われても分からんと思いますが、「絶対に酒を飲んだら運転したらいかん」と
いうことです。「酒は飲んだばってん、酔うとらん」とか「一口しか飲んどらん」とか、そういうことではないのです。その後、事故を起こしたら、取り返しのつかんことになります。
そうなる前に車はほったらかして帰るべきです。
(男性・20歳)
うーん、方言は丸出しだし、最初は「20歳にもなって幼稚な文章だなあ」と思ったのですが、よく読んでみると不思議な味わいがあります。
特に、最後の「そうなる前に車はほったらかして帰るべきです」という言葉には異様なまでのリアリティを感じます。もしかしたら、これは警察がプロの作家かコピーライターに書かせた文章ではないかという疑念が湧いてきました。



次の「取り消し処分者の声」は、人生の悲哀を感じさせてくれます。
希望の会社に就職が決まりうれしさのあまり、運転が上の空になっていたと思います
ぶつかった衝撃ではじめて事故を起こしたことに気付きました。
免許の取り消しで決まっていた就職もダメになりました。
今度、免許を取ったら安全運転とは何かを考え運転したいと思います。
(男性・24歳)



次の2人の「取り消し処分者の声」も辛い内容です。
●人生が変わった。大事な家族を失い、死にたくなった。
免許証1枚でこんなに人生が変わるとは思わなかった。
二度とこんな思いはしたくない。
 過去は変えられない。
 どんなに戻りたくても戻れない。
 大事な人、環境を失ってから、初めて体感した。
 多くの人を傷つけた。
 こんな思いを二度としないでいいように、過去の違反も含め、ルールを遵守する。
(男性・28歳)
●私が起こした事故で友人の命を奪った。仕事もできなくなり、家族もバラバラになり自分自身の道がなくなり死にたいと思うことがあった。
(男性・43歳)



男性の「取り消し処分者の声」は、どちらかというと短い文章が多いです。
それに比べて、女性の「取り消し処分者の声」は長めでした。
また、内容も濃いというか、反省の深さをうかがわせるものが多いように感じました。
たとえば、以下の声もそのひとつです。
●交通事故を起こしました。
相手の方が片側一車線の中央線を歩いており発見が遅れてしまい、脳挫傷で亡くなりました。年が高齢でした。
事故をするまで、私に限ってという言葉があり、まさかと言う気持ちでした。
事故をしたことで私自身の人生も変わり、相手の被害者の身内の方の人生も大きく変えてしまい、本当に謝っても取り返しのつかないことをしたと思っています。
子供たちにも辛い思いをさせてしまったこと。本当に申し訳ないと思っています。
私は事故を起こしたことを悪い記憶で残すつもりはありません。これからの為にも事故を教訓に周りの友達、そして親族に事故がどれだけ重い罪なのか語っていきたいと思います。そして安全運転がどんなに凄いことかを伝えていきたいと思います。
(女性・35歳)



今日は「優良講習」ということで30分で終了したので、これまで見せられてきた交通事故のビデオの上映はありませんでした。ちょっと残念でしたね。というのも、交通事故ビデオはリアルでとても怖いのですが、昔から嫌いではなかったからです。
面白いといっては不謹慎かもしれませんが、とにかく興味深い内容で、「ああ、自分も事故を起こしたら大変なことになる!」という恐怖心を与えてくれるので、ありがたいことだと思っていたのです。本当は、「13日の金曜日」にホラー映画などよりもっとゾッとする交通事故ビデオを観るのもいいかなと思っていたのですが・・・・・。


講習では、福岡県の飲酒運転ゼロ運動についても説明を受けました。
福岡県では、ここ数年、悪質な飲酒運転が相次ぎました。
なんでも、飲酒運転の件数では大阪府とワーストを争っているそうです。
しかし、免許保持者の数が圧倒的に大阪のほうが多いとか。
つまり、実質上は福岡県の飲酒運転は全国で最悪なのです。
このような大変深刻な状況の中、昨年2月に粕屋町で高校生男子生徒2人が飲酒運転による乗用車に はねられ死亡するという大変痛ましい事故も起きました。
県内の各地で、飲酒運転撲滅キャンペーンが繰り広げられています。
福岡県に飲酒運転が多い理由として、講師の先生は「福岡県というところは、昔から酒飲みに対して寛容な土地柄だから」と言っていました。
その最大の証拠が、かの「黒田節」だそうです。なにしろ、「酒は飲め、飲め」ではじまる民謡が福岡県のシンボル・ソングなのですから・・・・・。


講習を終えると、新しい免許証を渡されました。
見ると、顔写真がなんとも間が抜けたというか、鳩が豆鉄砲を喰らったような表情をしています。わたしに限らず、免許証の顔写真でキリッとしたものを見たことがありません。
あれは、なぜでしょうね。パスポートの顔写真は、どちらかというとキリッとしたものが多いように思いますが。まあ、そんなことは、どうでもいいですけどね。




新しい免許証は、有効期限がゴールドで表示され、なんと「優良」という文字もしっかり入っていました。それを見た瞬間、わたしの顔は緩みに緩みきってしまいました。
帰り道、昼食の中華丼を「響」という店で食べている間も、免許証を横目で見ながらニヤニヤしていました。サンレー本社の社長室に戻ってからもニヤニヤは消えず、秘書課の鳥丸耕一課長と織田祐子さんが困惑の表情を浮かべていました。
こんなに嬉しい「優良ドライバー」。ぜひ、これから5年間、無事故・無違反を心がけて、次回も「優良講習」を受けたいと思います。いや、ほんとに。


2012年4月13日 一条真也