ソウル市火葬場

一条真也です。

今日は8時半にホテルのロビー集合でした。
しかし、6カ所への訪問を控えたハード・スケジュールもあって、みなさんが20分前には集まっていたので、早めに出発することになりました。
ところが、迎えに来るはずのバスが故障したとかで、早速アクシデントが!
仕方なく、わたしたちは雨が降る中、タクシーに分乗しました。
そして、最初の訪問先であるソウル市火葬場へと向かいました。


宮型の霊柩車が止まっていました



今日から、第一生命経済研究所主任研究員の小谷さんが参加されます。
小谷さんは、死生学や葬儀についての研究者として有名な方です。
男だらけのムサ苦しいところに紅一点が加入して、和やかなムードが漂いました。
タクシーで30分ほど走ると、山奥のソウル市火葬場に到着しました。
近隣住民の反対のため14年もかかって、今年1月にオープンした施設です。
さすがに綺麗ですが、その巨大さには度肝を抜かれました。
火葬場の正面には、日本では珍しくなった宮型の霊柩車が止まっていました。


最初に火葬場についての説明を受けました



入口で、張萬石先生が火葬場の支配人さんを紹介してくれました。
2005年12月16日に韓国から北九州市のわがサンレー本社を訪問する視察団がやってきたのですが、なんと、この支配人さんも参加されていたそうです。帰るとき、大雪が降って、わたしが雪まみれになりながらバスを見送ったことを憶えておられるそうです。そのときのわたしの姿に「礼」を強く感じたと言っていただき、とても嬉しかったです。
ちょうど、その頃の韓国の葬儀環境は激変していました。
韓国では土葬が一般的ですが、近年は土地不足などで火葬が増えており、そのために「火葬先進国」である日本の視察が企画されたのです。
わたしたちは、プレゼン・ルームのような部屋で、その支配人さんからソウル市火葬場についての説明を受けました。住民の納得を得るためもあって、徹底的に環境問題に配慮した火葬場であることを強調されていました。


まるで美術館のようなエントランス

本当に、ミュージアムを併設していました

オブジェのある広大なガーデン



説明を聞いた後、場内に入ると、エントランスの巨大美術館のような空間に圧倒されました。比喩ではなく、なんと本当のミュージアムが併設されていて、驚きました。
主に現代アートっぽい作品が展示されていました。
展示作品を解説したパンフレットまで置かれていました。わたしは、もともと葬儀こそは“ART”であると思っていますので、このミュージアムには感動しました。
オブジェのある広大なガーデンも用意されており、ここが火葬場とは思えません。


焼却炉の裏は火力発電所みたいでした

発電所を連想させるコンピュータ制御室



しかし、さらに驚かされたのは、焼却炉に入ったときでした。
まるで発電所を思わせるようなコンピュータ制御室といった感じで、多くの火葬が同時に行えます。焼いた骨はロボットが運び、未来の火葬場を見ているようでした。
そう、このソウル市火葬場は、世界でも最も最新の設備を誇る施設だそうです。
それにしても、焼却炉をはじめ施設全体が匂いがしないのには感心しました。
悪臭がしないというより、匂いそのものが何もしないのです。
おそらく、よほどすごい空気清浄システムを導入しているのでしょう。


2012年4月25日 一条真也


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