金環日食

おはようございます、一条真也です。

5月21日の早朝、「金環日食」で日本列島が燃えました。
全国で部分日食を見ることができるほか、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部、中部地方南部、関東地方など広範囲で金環日食を見ることができるはずでした。
わたしも、事前に太陽グラスの類を各種買い揃えて、金環日食を待ちました。


買い揃えた各種の太陽グラス



しかし残念ながら、北九州は雨でアウトでした。
天体ショーの難しさは、「月への送魂」でいつも身に沁みています。
仕方なくテレビで金環日食を見ることにしましたが、東京のスタジオも曇り模様。
それでも、7時32分には雲が動いて、見事な金環日食が見れました。
フジテレビ系「めざましテレビ」ゲストのSMAPも大喜びでしたね。




金環日食では、皆既日食のようにコロナやプロミネンスが見えたり、星が見えるほどに暗くなったりはしません。しかし、太陽がドーナツ状に見え、曇りのときのようにあたりが薄暗くなる様子を観察することができます。
日本の陸地に限ると、金環日食が観察できるのは、1987年9月23日に沖縄本島などで見られた金環日食以来のことだとか。
次回も2030年6月1日に北海道で見られる金環日食まで、18年を待たなければなりません。天文学的に言っても、非常に珍しい現象なのです。


「日食」とは、太陽の手前を月が横切るために、太陽の一部または全部が月によって隠される現象です。「部分日食」を含めると、地球全体では1年に数回の日食が起きています。しかしながら、毎回「皆既日食」や「金環日食」になるわけではありません。
また、「皆既日食」や「金環日食」は大変狭い範囲でしか見ることができません。
そのため、1つの場所で考えると、「皆既日食」や「金環日食」はめったに起こらない珍しい現象ということになるのです。


それにしても、天体というものには大きなロマンがありますね。
今世紀、ついに宇宙の年齢がわかってしまいました。
2003年2月、米国NASAの打ち上げた人工衛星WMAPは、生まれてまだ38万年しか経っていない頃の宇宙の地図を描き出しました。
人類がいま、描くことのできる最も昔の姿であり、それを解析することによって、宇宙論研究の究極の課題だった宇宙の年齢が137億年(誤差2億年)と求められたのです。
20世紀末に「宇宙の年齢は何歳ですか」と専門家にたずねても、「まあ、100億年か200億年ですかね」という答しか返ってきませんでした。
実に、有効数字が1桁もないような状況だったのです。それが、いまや「137億年です」という3桁の数字で答えられるようになったわけですから、本当にすごいことです。



宇宙を1冊の古文書として見るならば、その解読作業は劇的に進行しています。
それというのも、20世紀初頭に生まれた量子論と相対論という、現代物理学を支えている2本の柱が作られたからです。さらにこの2つの物理学の根幹をなす法則を駆使することによって、ビッグバンモデルと呼ばれる、宇宙の始まりの瞬間から現在にいたる宇宙進化の物語が読み取られてきました。
宇宙はまず、量子論的に「有」と「無」の間をゆらいでいるような状態からポロッと生まれてきました。これは「無からの宇宙創生論」といわれているものです。そうして生まれた宇宙は、ただちにインフレーションを起こして急膨張し、インフレーションが終わると超高温、超高密度の火の玉宇宙になり、その後はゆるやかに膨張を続けました。
その間に、インフレーション中に仕込まれた量子ゆらぎが成長して、星や銀河が生まれ、太陽系ができて、地球ができて、その上に人類が生まれるという、非常にエレガントな一大叙事詩というか宇宙詩とでもいうべきシナリオができ上がってきたわけです。


YouTubeに、いろんな星の大きさを比較していく動画があります。
初めて観たときは、言葉にならないほどの大きな衝撃を受けました。
地球の衛星である月よりも水星や火星や金星は大きく、さらに地球は大きい。
その地球よりも土星は大きく、それよりも木星ははるかに大きい。
その木星も太陽に比べれば小さなものですが、その太陽がゴマ粒に感じられるぐらい大きな星が宇宙にはゴロゴロしているのです。
アルクトゥルスうしかい座)は太陽よりもはるかに大きく、ベテルギウス(オリオン座)とアンタレス(さそり座)はさらに大きい。
観測された銀河系の恒星のうち、最も明るい超巨星がピストル星です。
「ガーネットスター」とも呼ばれるVVCepheiは有名な赤色超巨星です。
そして現在までに人類が確認した中で最も大きい星は、おおいぬ座のVYです。
その直系は推定25億から30億kmで、太陽の約2000倍、地球の約29万倍の大きさというから凄いですね。人間のイマジネーションのレベルを完全に超えています。


巨大スケールの仏教的宇宙観



わたしは、なんだか仏教の宇宙論をイメージしてしまいます。
たとえば、地獄の最下層である阿鼻地獄は「無間地獄」とも呼ばれます。わたしたちの住むこの世界からそこまで落ちるのは自由落下で、なんと2000年もかかる距離です。秒速を9.8/mとして計算すると、約6.1億kmになります。まさに想像を絶するスケールですね。ちょうど今、わたしは『図解でわかる!ブッダの考え方』(中経の文庫)という本を書きましたが、本当に仏教的宇宙観のスケールの巨大さには圧倒されます。



「日食」とは、太陽が月によって覆われる現象です。
ところで、この世界における最大の謎とは何でしょうか?
わたしは、地球から眺めた月と太陽が同じ大きさに見えることだと思っています。
人類は長いあいだ、このふたつの天体は同じ大きさだとずっと信じ続けてきました。
しかし、月が太陽と同じ大きさに見えるのは、月がちょうどそのような位置にあるからなのです。月の直径は、3476キロメートル。太陽の直径は、138万3260キロメートル。つまり、月は太陽の400分の1の大きさです。次に距離を見てみると、地球から月までの距離は、38万4000キロメートル。地球から太陽までの距離は、1億5000万キロメートル。この距離も不思議なことに、400分の1なのです。
こうした位置関係にあるので、太陽と月は同じ大きさに見えるわけです。
それにしても、なんという偶然の一致でしょうか!
皆既日食も、太陽と月がぴったりと重なるために起こることは言うまでもありません。
この「あまりにもよくできすぎている偶然の一致」を説明する天文学的理由はどこにもありません。月がUFOのような人工の天体であり、何者かが月を一定の速度と位置に正確に保つようにしているとでも考えなければ、この謎はどうしても解けないのです。


「にわかせんぺい」みたいな太陽グラス



あと、太陽を直接見ることは絶対にダメです。
今朝は、日本中で多くの人々が太陽グラスを目に当てていました。
その姿をテレビで見ながら、わたしは「なんだか、にわかせんぺいみたいだなあ・・・・・」と思ったのでございます。ふふふ、にわかせんぺい、なつかしい" ( ´∀`) ...
それでは、これから会社に行ってきます。
今日は、サンレーグループの全国営業責任者会議があるのです。
今週も、みなさん、ともに張り切って行きましょう!




2012年5月21日 一条真也