「ジェットストリーム」

一条真也です。

いま、「ジェットストリーム」のCDにハマっています。
ジェットストリーム」は、日本航空提供のラジオ番組です。
高校生の頃から、よく聴いていました。


名曲「ミスター・ロンリー」のメロディーに乗って、城達也の伝説的ナレーションが次のように流れます。  


         遠い地平線が消えて、
         ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
         はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、
         たゆみない宇宙の営みを告げています。

 
         満天の星をいただく、はてしない光の海を
         ゆたかに流れゆく風に心を開けば、
         きらめく星座の物語も聞こえてくる、
         夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。
  
         光と影の境に消えていったはるかな地平線も
         瞼に浮かんでまいります。



わたしは、城達也の声ほど美しい男性の声を聴いたことがありません。
彼が亡くなった日、タモリさんは「笑っていいとも」の番組中「テレフォンショッキング」のコーナーの冒頭で、「城達也さんが亡くなられました」と報告しました。
そして、「わたしは城達也さんに薬の使用上の注意を読み上げてもらったことがあるんですが、聞き入ってしまって言葉にならない感動があった。あれは感動しましたね」と、しみじみと語りました。


わたしは、大学に入学して上京してからも、よく「ジェットストリーム」を聴いていました。
そんなとき、あの御巣鷹山の墜落事故が起こったのです。
事故が起こった1985年8月12日の深夜、ラジオをつけたところ、通常通りに番組が開始されたことを記憶しています。
ジェットストリーム」は、イージーリスニング・ブームを起こした伝説のラジオ番組です。
番組内で多くの名曲が流されましたが、「男と女」や「白い恋人たち」といったフランシス・レイの曲が好きでした。
でも、一番好きだったのはビクター・ヤングの「80日間世界一周」です。
それを聴きながら、いつの日か、JALに乗って世界一周したいと夢見ていました。
そのJALも、ついに経営破綻し、複雑な心境です。
新たにJALの会長に就任された稲盛和夫氏の経営手腕に期待したいと思います。


ジェットストリーム」のCDは、JALショッピングの通販で買いました。
全10枚で、当時の演奏がそのまま録音されているのが嬉しいです。
なつかしい城達也のナレーションも、そのままです。
読書や執筆のBGMとして流したり、i−Podに入れて就寝時に聴いたりしています。
ジェットストリーム」は、いつも、わたしを夢の世界へと連れていってくれます。

                   さあ、今夜も夢の中へ・・・


2010年3月3日 一条真也

雛祭り

一条真也です。

今日は、3月3日の桃の節句です。
そう、雛祭りですね!
わが家でも、雛人形を飾りました。
妻が実家から持ってきた人形です。
妻は姉との二人姉妹で、ずっとこの人形で桃の節句を祝ってきたそうです。

わたしは、弟との二人兄弟です。
ですから実家では雛人形など無縁と言いたいところですが、そうではありませんでした。
わたしの実家には、雛人形がたくさんありました。
それもハンパな数ではありません。
おそらく、数百レベルあったのではないでしょうか。
母が雛人形が大好きで、コレクションしていたのです。
毎年、3月3日には、その人形たちを家中に飾るのです。
「どうして、女の子がいないのに雛祭りするの?」と訊くと、母は「ここに一人いるよ」と言って自分を指さすのでした。本当は、娘が欲しかったのでしょうね。

わたし自身は二人兄弟でしたが、わたしは二人の娘の父親となりました。
やはり、雛祭りの季節になると、娘たちの将来に思いを馳せてしまいます。
そして、親として彼女たちの幸せを祈らずにはいられません。
いつも、3月3日の夜は自宅で雛祭りをするのですが、今日はわたしが業界の会議のため東京出張が入ってしまいました。
そのため、今年は3月1日にお祝いをしました。
家族全員で、ちらし寿司や鯛を食べました。


               娘たちの幸せを祈って今年も飾りました


長女は高校2年生で、次女は小学校4年生、同じ一貫教育の学校に通っています。
ちょっと年齢が離れていますが、偶然にも、その年齢差は宮崎駿監督の「となりのトトロ」に登場する五月とメイの姉妹と同じです。
映画といえば、黒澤明監督の「夢」の第二話に出てくる雛祭りの話は幻想的でした。
人間による五段飾りの美しさには息を呑みました。

それから、雛人形といえば、昨年、金沢の兼六園内の美術館で見た前田家の雛人形が見事でした。
大分県の日田にある草野総本家の雛人形も見事ですが、今の時期は一般公開しているはずです。
わが社の結婚式場「マリエールオークパイン日田」のすぐ近くにあります。

みなさんも、機会があったら、ぜひ立ち寄られてみて下さい。



2010年3月3日 一条真也

東京の止まり木

一条真也です。

桃の節句の今日、東京に出張で来ています。
今夜は、久しぶりに赤坂見附のカラオケ・スナック「DAN」に寄りました。
先日ご紹介したレパードが「小倉の止まり木」なら、DANは「東京の止まり木」です。

これがカラオケ・スナックDANだ!


この店は、わたしの常宿のある赤坂見附の駅のすぐ近くにあります。場所は都心の超一等地なのですが、ひとたび扉を開けると、誰でも驚きます。とても、なつかしい昭和のスナックそのものなのです。温泉街に必ずあるスナックといってもいいかもしれません。熱海にも草津にも別府にも嬉野にもあるような、そんな店です。なんと、ミラーボールまであります。
DANは異次元空間なのです。この異次元空間は、訪れる者の疲れた心を癒してくれます。上品なママさんと、「氷雨」を歌っていた佳山明生にちょっと似ているマスターの息もバッチリ合っていて、二人はとても高レベルのホスピタリティを発揮してくれます。

マスターとママさん


それと、DANのお客さんは、とにかく歌がうまい!
DANで音痴の人に会ったことはありません。
カラオケの順位が出る機械を設置しているのですが、数千人中、数万人中で1位というような人が続出するのです。看板に「カラオケ・スナック」と書いてあるので、歌に自信があるツワモノが集まるのかもしれません。わたしも、けっこう高順位のほうです。(笑)
特に、マーク・ハマーの「夜がくる」、沢田研二の「おまえがパラダイス」、そしてサザンオールスターズの「素敵なバーディー」などは必ず1位を取ります。えっ、「本当か?」ですって。嘘だと思うなら、今度、試してみますか?そのかわり、あなたの奢りですよ。(笑)ご安心下さい。DANは都心のスナックであることが信じられないほどの安さですから。


でも、集まってくる常連のみなさんは、ひとかどの紳士ばかりです。わたしが推察するところ、レコード会社、ラジオ、テレビ、広告などの関係者も多いのではないでしょうか。赤坂見附にはマスコミ各社が集中しているからです。DANでは、隣り合ったお客さん同士が仲良く話しはじめます。そして、誰かがカラオケを歌うと、みんなで合唱したりします。誰かがカラオケで1位を取ると、その場にいる全員にビールを奢ります。まったくの他人同士なのにですよ。


店のルールといえばそうですが、DANには「袖すり合うも多少の縁」という善き心が生きているのです。同じお店に居あわせたという縁、いわば「店縁」でしょうか。それともカラオケの縁ですから「歌縁」でしょうか。昔、「歌声喫茶」というものがあったそうですが、DANはまるで「歌声スナック」です。いずれにせよ、忙しい一日を終えて、夜遅くDANに寄る。わたしにとっての東京出張の大きな楽しみです。DANに行くと、いつも優しい気分になれます。


2010年3月3日 一条真也