フランス料理

一条真也です。

もう気がついている人も多いかもしれませんが、わたしは基本的に食事の話題をブログに書きません。有名・無名を問わず、ほとんどの人のブログには、何を食べたとか、どこそこの店に行ったという話が出てくることは知っています。
ブログに使われる写真では、圧倒的に食べ物の写真が多いのではないでしょうか。
でも、わたしは書きません。それは、わたしが書かなくても他の人が書くので、わたしは自分にしか書けないことを書きたいと思っているからです。
それと、高級店に行って食事したなどというブログは、なんとなく「ぜいたく自慢」のようで、品性というものを感じません。
でも今夜、いま日本で最も話題となっているレストランに行きました。
そのことは、けっして「ぜいたく自慢」などではなく、日本人の食文化についての一考になると思いましたので、書かせていただきます。



北陸大学の授業を終え、雨の東茶屋街を散策したあと、金沢城公園に隣接した「しいのき迎賓館」に向かいました。1924年建設の旧石川県庁舎を改装した建物です。
そこで全国のブライダル・ビジネスの有志たちと合流し、その中に入っているフランス料理店「ポール・ボキューズ」で夕食をともにしたのです。


                レストラン「ポール・ボキューズ」にて


もちろん、単なる食事会ではなく、披露宴料理の勉強会としてです。
高級レストランを運営する「ひらまつ」のフランス料理店ですが、世界的に有名なシェフであるポール・ボキューズ氏と組んで、加賀百万石の城下町の面影が残る古都・金沢に4月10日にオープンしました。店内には、まだ開店祝いの胡蝶蘭がたくさん置かれていましたが、数ヶ月先まで予約で一杯だそうです。
86年の歴史を感じさせる重々しい正面玄関と、全面ガラス張りのモダンな裏側のデザインは、まるで美術館のようで、ここを訪れたポール・ボキューズ氏は「世界一美しいレストランだ!」と絶賛したとか。
グリーンピースのシャーベットにはじまったフルコースは、メインの子羊のローストまで濃厚な味付けで、「これぞフレンチ」といった感じでした。
「ひらまつ」さんは、東京本店にも行ったことがありますし、一昨年は全互協の九州ブロックの研修会で福岡店を貸切にさせていただきました。


                    フレンチにはワインを


全互協といえば、昨年の10月に海外研修でフランスに行きました。
大手互助会の経営者の皆さんと一緒でしたが、パリ郊外のブローニュの森にある有名レストラン“LA GRANDECASCADE”を訪れました。
豊かな森に囲まれた瀟洒な店という印象でした。メニューは、前菜としてスモーク・サーモンとネギのテリーヌ、続いて鴨のフォアグラ、メインとしてロースト・ビーフとポテト・パイ、デザートとしてマカロン、オレンジとバニラのシャーベットでした。
お酒ですが、食前酒のシャンパンがポムリー、白ワインはシャトー・サン・ロックの2008年物で、産地はコートデュローヌ、赤ワインはドメンヌ・デュ・グランダルクの2005年物で、産地はコルビエールでした。
19時半の乾杯でスタートし、21時半にデザートが、21時45分に食後のコーヒーが出てディナー終了。感想としては、日本人にはヘビーな内容ということです。
メインのロースト・ビーフの分厚さには驚かされました。やはり日本人と違い、フランス人などのアングロ・サクソン民族は基本的に肉食なのですね。
“LA GRANDECASCADE”は、かのミシュランで2ツ星の評価を得ており、近く3ツ星を獲得する予定とのことでした。



正直言って、日本には星を一つも持ってはいなくとも、この店よりも美味しいフランス料理店は多く存在すると思いました。
というより、日本人の舌に合うかどうかの問題かもしれません。
いくらゲストハウス・ウエディングやレストラン・ウエディングが増加しようとも、日本における結婚披露宴でのフランス料理の普及度はそれほどでもありません。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2008」によると、最も多い首都圏でこそ49.0%ですが、九州では29.7%、東北では12.0%にすぎません。



フランス料理は明治維新の際に日本に入ってきたとされます。日本国外の来賓への接待としてフランス料理が使用されるようになったのは1873年からです。
すでに日本のフランス料理には137年もの歴史があるわけですが、結婚披露宴においては、やはり和洋折衷料理が王道であると感じました。
ちなみに、わたし自身は、和食をこよなく愛する人間です。
フランス料理、特にフォアグラやトリュフは苦手であります。はい。


2010年5月19日 一条真也