波の上ビーチ

一条真也です。
沖縄に来ています。
わたしは、沖縄料理が大好物です。
特に、ゴーヤ・チャンプルとかソーメン・チャンプル、フー・チャンプル、モヤシ・チャンプルなどの料理が好きで、今夜もたらふく食べました。
「チャンプル」とは「チャンポン」と同じで、「混ぜ合わせ」といった意味ですね。
このチャンプル文化こそ、沖縄が世界に発信すべきものではないでしょうか。


                    波の上ビーチにて


総合朝礼を終えた後、那覇の「波の上ビーチ」を訪れました。
美しい海が見えますが、その海の向こうには、中国最大の都市である上海があります。
波の上ビーチの隣は神社。イザナミノミコトを御祭神とする波上宮です。
その隣は寺院。真言宗高野山派の波上山護国寺です。
さらにその隣は孔子廟至聖廟
孔子道教の神々がともに祀られています。


                    波の上宮(神道)にて

                     護国寺(仏教)にて

                      孔子廟儒教)にて

                      至聖廟道教)にて 


ここでは、わずか数百メートルの圏内に道教も含め、神道、仏教、儒教の宗教施設が隣接しているのです。いわば、異なる宗教が共生しているのです。
まさに、「沖縄のチャンプル文化ここにあり!」を見せつけられる思いがします。
さらには、天理教などの新興宗教の神殿やチャペルまで集まってきています。
その上、それらの宗教施設の周囲にはなんと、ラブホテルとソープランドまでがずらりと並んでいるのです。まさに、聖地とは性地なり!
それにしても、なんなんだ、一体ここは?!
究極のパワースポットは、人間の性欲をも刺激するのでしょうか。


                  波の上ビーチの横はラブホ街!


つまるところ、ここでは「何でもあり」なのです。
包容力があるのです。懐が深いのです。平和が好きなのです。
そして、すべてが「&」なのです。
かつて、わたしはユダヤ教キリスト教イスラム教についての本を書きました。
三つの一神教の間には「vs」が入れられています。
三宗教の歴史および現状を見ればその通りだからです。
このままでは人類社会が存亡の危機を迎えることは明らかです。
その後、わたしは日本人の「こころ」に多大な影響を与えてきた神道、仏教、儒教についての本を書きました。そして、それらの間には「&」を入れました。
これまた、日本における三宗教の歴史および現状を見ればその通りだからです。聖徳太子によって、神仏儒は平和的に共存してきたのです。
日本の冠婚葬祭を見れば、そのことがよく理解できるでしょう。
そして、なんとか日本以外にも「&」が広まってほしいと、わたしは願っています。
「vs」では人類はいつか滅亡してしまうかもしれません。
しかし「&」なら、宗教や民族や国家を超えて共生していくことができます。
ユダヤ、キリスト、イスラムをはじめ、ありとあらゆる宗教の間に「&」が踊り、「&」が満ち溢れた「アンドフル・ワールド」。
そんな「こころのチャンプル」について、波の上ビーチで考えました。
辺野古移設の日米共同発表があった、まさにその頃、世界で最も平和な場所である波の上ビーチで平和な世界を夢想しました。
世界中が、波の上ビーチのような場所になりますように。


                    「何でもあり」の日本宗教


2010年5月28日 一条真也