中沢けい氏の書評

一条真也です。

作家で法政大学教授の中沢けい氏が、昨日の「東京新聞」および「中日新聞」で、葬儀に関する本の書評を書かれています。
島田裕巳著『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)と並んで、拙著『葬式は必要!』(双葉新書)が取り上げられています。


                6月6日付「東京新聞」朝刊より


中沢氏といえば、1978年に『海を感じる時』で、第21回群像新人賞を受賞され、新進気鋭の女流作家として大きな注目を集めました。
当時、わたしは中学3年生でしたが、文学少年を気取っていたこともあり、早速、『海を感じる時』を読んだ思い出があります。
とても透明な感じの文章で、新鮮さを覚えました。
終盤に、主人公が暗い海を見つめる部分があるのですが、「世界中の女の生理の血を集めれば、こんな色になるだろう」といったような描写があり、「こんなこと書くなんて、すごい女!」と思ったものです。たしか、本の帯か何だかに「日本のサガン誕生!」などと書かれていたように記憶しています。
中学生時代のわたしに強烈な印象を残してくれた中沢氏に、拙著を読んでいただけたなんて、なんだか不思議な感覚です。
書評の最後に、中沢氏は「これらの葬儀の本を読んでいるうちに、何かに似ているという気がしてきた」と書かれています。
30年前に、「過剰な演出と高額な費用がかかりすぎる結婚式がやり玉にあげられて、いかに自分らしい結婚式を挙げるか取りざたされていた」ことに似ているというのです。
そうです、中沢さん!あなたの御指摘のように、葬儀と結婚式は似ています。
そして、事前の準備と業者との打ち合わせで、結婚式の演出や費用は思い通りになるように、葬儀もまったく同じなのです。
「死」をタブー視して、人が亡くなってから葬儀を考えるのではなく、生前から葬儀の内容と費用については考えておく、あるいは業者と打ち合わせしておくことが大切です。
エンディングノートなどを使って、葬儀の準備を事前にしておくことで、安い費用で「あの人らしかったね」と言われる葬儀が可能になります。
エンディングノートについては、わたしも『思い出ノート』(現代書林)を作成しました。
なかなか好評のようで、現在、5刷が出ています。
また、自分らしい葬儀の演出については、監修書『「あの人らしかったね」といわれる自分なりのお別れ』(扶桑社)でたくさん紹介しています。
最後に、わたしは、結婚式も葬儀も人間にとって絶対に必要であると思います。



                  エンディングノート決定版!!

                 「送られかた」は自分で決める


2010年6月7日 一条真也