癒す人

一条真也です。
東京での会議と打ち合わせの間を縫って、なつかしい友人と久しぶりに会いました。鈴木登士彦君といいます。


鈴木登士彦君


鈴木君と最初に会ったのは、大学生のとき。小田原にあるお医者さんの別荘で開かれたホーム・パーティーで、同級生の井上英明君に紹介してもらいました。井上君は、現在、青山フラワーマーケットを展開する会社の社長さんです。鈴木君と初めて会ったとき、目がギョロッとしているので、「なんだか怖そうだな」と思った記憶があります。でも、話してみると、とても心優しいナイスガイでした。


鈴木君もわたしも格闘技好きということで、何度も格闘技観戦に行きました。前田日明のリングスの試合や、高田延彦vsヒクソン・グレイシー戦、船木誠勝ヒクソン・グレイシー戦、桜庭和志vsホイス・グレイシー戦などにも一緒に行きましたね。代々木の国立競技場に10万人を集めた「Dynamite!」の初興行にも行きました。


当時、二大格闘技イベントとして隆盛を極めていた「K−1」と「PRIDE」が合体した夢のような興行でした。わたしたちにとって神にも等しい存在であったアントニオ猪木がパラシュートを着けて空から降ってきたり、「最強」の呼び声が高かったボブ・サップアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが激突し、この日が総合格闘技のデビューだった吉田秀彦ホイス・グレイシーを破りました。当時、格闘技番組のレポーターを務めていた長谷川京子さんを通路で見かけたのも忘れられない思い出です。いやあ〜、かわいかった! このときから、わたしはハセキョーの虜になったのであります。



とにかく共通の趣味があるという絆は強いもので、鈴木君とわたしは仲良くなりました。格闘技だけでなく、彼は哲学や仏教にも造詣が深く、そのへんの話題でも盛り上がりました。よく赤坂見附にある「新馬山屋」という韓国料理店で真露を飲みながら、さまざまな話をしました。残念ながら、その店も今ではなくなってしまいました。その後、鈴木君が酒を飲まなくなり、共通の趣味である格闘技そのもののブームが去ったこともあって、わたしたちの会う回数は減りました。最大の原因は、お互いが忙しくなったことですが。


彼は、いま、「せたがや手技均整院」の院長にして一般社団法人の理事長でもあります。「一言でいうと、職業は何?」というわたしの質問に対して、彼は「自然手技療法家」と答えました。鈴木君によれば、「自然手技療法/Integrated・Naturyopathy」とは、手技療法を中心に人間の根源的な営みである「食・息・動・想・環境」を改善して、細胞レベルから溌剌とした健康体を目指して行く代替療法だそうです。子どもの時から喘息やアレルギー、そして不妊うつ病などが当たり前になってしまった現代に力を発揮する次世代の自然療法なのです。そう、鈴木君は総合的に人間の心身を癒すスペシャリストなのです!


ちなみに、彼の奥さんはドッグフードで有名な「キッチン・ドッグ」の社長さんです。鈴木君は玉川大学時代、バレリーナでした。腰を痛めてバレリーナの道は断念したそうですが、そのときの故障がきっかけでカイロプラクティックとめぐりあい、「自分の生きる道はこれだ!」と思ったそうです。


ヘルシーなナチュラル・ランチ


彼の職場がある用賀でランチしましたが、自然食レストランで「ナチュラル・ランチ」を食べました。彼は、「ここは、ぼくの社員食堂なんだよ」と笑っていました。食事をしながら、「食事」の話をしました。鈴木君は、「現代の家庭では家族の食べる物がバラバラ。これが非常に良くない」と言っていました。父親は牛丼を食べ、母親はフライドチキンを食べ、子どもはハンバーガーを食べるような生活が、家族の心をバラバラにしているというのです。


食べるものが違えば、血液が違ってきます。血液が違えば、心も違ってくるというのです。なるほど! 家族というのは「血縁」そのものだとばかり思っていましたが、食べ物が違えば、血が違ってくるのです。逆に、「同じ釜の飯を食う」といいますが、いつも同じ食事をしていれば、他人であっても血液は同じになってくるわけですね。これでは、どっちが本当の「血縁」だかわかりませんね。


鈴木君は、玄米を主食に、ヒジキ、オカラ、切干大根などがプレートに乗ったナチュラル・ランチを食べながら、「こういうの苦手じゃないの?」と、わたしに聞きました。ところが、どっこい! わたしは、いつも自宅でこんな食事をしているのですよ。わが家の主食は、ずっと玄米なのです。


長女は苦手みたいですが、妻と次女は玄米が大好きで、「玄米、うまうま」と言いながら食べています。わたしも玄米は大好きです。わが家は、全員が同じものを食べているので立派な「血縁家族」なのでしょうか。もっとも、わたしは出張ばかりしているので、外食が多いわけですが。


食後は、用賀駅でアイスコーヒーを飲みながら、鈴木君と格闘技や哲学の話題で久々に盛り上がりました。とても有意義で楽しい時間でした。やっぱり、昔から知っている友人はいいですね。おかげで、わたしもリフレッシュできました。聞けば、禁酒していた鈴木君も、最近は少し飲むそうです。鈴木君、今度はぜひ赤坂見附で飲みましょう!


2010年6月15日 一条真也