一人親と独居老人

一条真也です。

京都にいます。
昨日の「読売新聞」夕刊に、大阪市西区マンションで幼児2人の遺体が見つかった事件についての記事がトップで出ていました。


                  8月3日付「読売新聞」夕刊より


あまりにも2人の子どもさんが可哀想で、辛い事件でした。
この記事では、育児放棄の原因となった母子家庭などの「一人親」を孤立させてはならないと書かれていました。
まったく、その通りだと思います。


                  8月4日付「京都新聞」朝刊より


また、今朝の「京都新聞」のトップには、「100歳超不明さらに11人」という記事が出ていました。
先日、東京都足立区で「111歳」とされていた男性がすでに30年前に亡くなっていたというニュースには驚きました。
現在も、東京都杉並区で「113歳」の女性が所在不明となったニュースが世間を騒がせています。
全国には、さらに100歳以上の所在不明者が多くいるようです。
わが社のような冠婚葬祭互助会の会員さんも高齢者の方が多いですし、所在不明会員の問題は業界にとっても最重要問題だと思っています。
所在不明者の多くは、100歳以上とまでいかなくても一人暮らしの、いわゆる「独居老人」が多いようです。



「一人親」の孤立も、「独居老人」の孤立も日本が抱える深刻な問題です。
わたしは、この2つの難問をドッキングさせれば、意外と解決案のヒントがあるのではないかと思いました。
まず、「孤立」が問題ならば、孤立しているもの同士を「結合」するというのは常識的な考え方だと思います。わが社がサポートしている「隣人祭り」の目的の1つに、「相互扶助の関係をつくる(子どもが急に病気になったが仕事で休めないとき、預かってもらう環境をつくるなど)」というものがあります。
わたしは、じつは独居老人と一人親の縁組みができないかと考えています。
というのは、独居老人にとっては一人親の母親あるいは父親に安否確認してもらう、一人親家庭にとっては子どもをいざという時に預かってもらう、そういう相互扶助の関係を作るのです。
この記事には、娘が育児放棄した孫を育てている高齢者の事例が紹介されています。
わたしは、血縁に限らず、広く隣人間においても相互扶助の関係を築き上げることはできないかと考えています。
もちろん、独居老人といっても100歳以上のような高齢者に他人の子どもを預かることは困難でしょうし、現実的には他にも難問が山積みしていることはわかります。
しかし、このまま「困った、困った」とつぶやいていても、事態は何も好転しません。
可能性の一つとして行政が取り組んでみる価値は大いにあると思います。
では、これから京都駅からサンダーバードに乗って、金沢に向かいます。


2010年8月4日 一条真也