BOOK

『反・幸福論』

一条真也です。『反・幸福論』佐伯啓思著(新潮新書)を読みました。 著者は、日本を代表する社会経済学者で、京都大学大学院人間・環境学研究科教授です。本書の帯には「人はみな幸せになるべきなんて大ウソ!」と大書され、「稀代の思想家が『この国の偽善…

『2022−−これから10年、活躍できる人の条件』

一条真也です。24日、東京で「東アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」に参加しました。 夜は神谷町で懇親会が開かれましたが、業界および学識経験者のみなさんから、このたびの孔子文化賞受賞のお祝いの言葉を頂戴し、恐縮しました。 さて、『2022年――こ…

『30冊の本』

一条真也です。『30冊の本』山川紘矢・山川亜希子著(PHP研究所)を読みました。 長年、精神世界関係書の翻訳を続けてきた夫妻によるブックガイドです。 本書の帯には、「『アウト・オン・ア・リム』『神との対話』『ザ・シークレット』などが伝える真…

『座右の古典』

一条真也です。『座右の古典』鎌田浩毅著(東洋経済新報社)を読みました。 帯には著者の写真とともに、「京大人気No.1講義カマタ教授が贈る」「いまこそ読みたい、“使える”古典、50選。」と書かれています。わたしは、この手の名著ガイドには目がない、…

『つながる読書術』

一条真也です。『つながる読書術』日垣隆著(講談社学術新書)を読みました。 著者は、1958年長野県生まれ、東北大学法学部出身の作家・ジャーナリストです。 『そして殺人者は野に放たれる』(新潮文庫)で新潮ドキュメント大賞を受賞していますが、最…

『野蛮人の図書室』

一条真也です。『野蛮人の図書室』佐藤優著(講談社)を読みました。 「知のモンスター」と呼ばれる著者は、これまでにも『功利主義者の読書術』(新潮社)、立花隆氏との共著である『僕らの頭脳の鍛え方』(文春新書)などのブックガイドを世に送り出してき…

『相性』

一条真也です。俳優の宅麻伸と女優の賀来千香子が、電撃離婚しましたね。2年前には「プラチナ夫婦アワード」を受賞するなど、おしどりカップルとして知られていただけに、驚きました。 女優の黒木瞳は、「夫婦はわからないわね」としみじみ述べたそうです。…

『十年不倫の男たち』

一条真也です。『十年不倫の男たち』衿野未矢著(新潮文庫)を読みました。 ブログ『十年不倫』で紹介した本の続編です。前作は不倫関係にある未婚女性の立場からのレポートでしたが、本書は既婚男性の発言が中心になっています。[] 本音と建前の狭間で揺れ…

『十年不倫』

一条真也です。『十年不倫』衿野未矢著(新潮文庫)を読みました。 「なぜ、いまの若者は結婚しないのか」という疑問から、ブログ『儒教と負け犬』、ブログ『事実婚 新しい愛の形』で紹介した本を読んできましたが、30代以上の未婚女性が増えている原因の…

『事実婚 新しい愛の形』 

一条真也です。『事実婚 新しい愛の形』渡辺淳一著(集英社新書)を読みました。 著者にとって初の新書ということで、帯には「新書初登場!!」のコピーとともに、「渡辺淳一の新・結婚論 本当の意味での心と心の実質婚。」の文字が書かれています。 渡辺淳…

『儒教と負け犬』

一条真也です。『儒教と負け犬』酒井順子著(講談社)を読みました。 本書の帯には、次のように書かれています。 「負け犬(日本)、老処女(韓国)、余女(中国)。 何故、この三国で晩婚化が進むのか? 負け犬の敗因が浮き彫りに・・・・・。」 負け犬の敗因が浮…

『絶望名人カフカの人生論』

一条真也です。『絶望名人カフカの人生論』フランツ・カフカ、頭木弘樹編訳(飛鳥新社)を読みました。 カフカといえば、「20世紀文学」の巨人として知られるチェコ出身のユダヤ人作家です。 その著作は、数編の長編小説と多数の短編、日記および恋人など…

『ゼロ年代の論点』

一条真也です。『ゼロ年代の論点』円堂都司昭著(ソフトバンク新書)を読みました。 「ウェブ・郊外・カルチャー」というサブタイトルがついています。 また、帯には「次なる10年のためのナビゲーション」と書かれています。 ウェブ・郊外・カルチャー 文…

『いつだって大変な時代』

一条真也です。『いつだって大変な時代』堀井憲一郎著(講談社現代新書)を読みました。 この書名を見て、ニヤリとされた方もいるのではないでしょうか。 帯には「もうお先真っ暗・・・。それって、ほんと?」と大書され、「大変大変と言いつづける私たちの…

『下山の思想』

一条真也です。『下山の思想』五木寛之著(幻冬舎新書)を読みました。 いま、ベストセラーになっている話題の本です。帯には「もう知らないフリはできない。」と大書され、「未曾有の時代にどう生きていくか。究極のヒント」と続いています。 未曾有の時代…

『ブッダはなぜ女嫌いになったのか』

一条真也です。『ブッダはなぜ女嫌いになったのか』丘山万里子著(幻冬舎新書)を読みました。 「カラオケ・キング♪」こと日本経済新聞社の鈴木慎一さんから「東京の止まり木」ことカラオケ・スナックDANで頂戴した本です。わたしと会う直前に読み終えた…

『洗脳論語』

一条真也です。このブログ記事で、1600本目になります。 『洗脳論語』苫米地英人著(三才ブックス)を読みました。 本書は看過すべきと思っていたのですが、あえて取り上げることにしました。 いやはや、なんとも奇妙な本なのです。いわゆる「トンデモ本…

『日本人はなぜ妖怪を畏れるのか』

一条真也です。『日本人はなぜ妖怪を畏れるのか』三浦節夫著(新人物往来社)を読みました。 著者は東洋大学ライフデザイン学部教授で、井上円了記念学術センター研究員です。 井上円了といえば東洋大学の創設者にして、「妖怪博士」と呼ばれた人物ですね。 …

『遠野物語と源氏物語』

一条真也です。21日は大寒でしたが、小倉は終日暖かかったです。 『遠野物語と源氏物語』鎌田東二編(創元社)を読みました。 2009年に開催された「物語の発生する場所とこころ〜遠野物語と古典」と題するシンポジウムの内容を掲載した本です。京都府…

『「いき」の構造』

一条真也です。北九州に帰ってきました。 東京は初雪で寒かったですが、小倉の気温は13度ぐらいで暖かかったです。 さて、これまで、「茶」や「花」や「灯」や「香」について考えてきました。 それらの考えは、『茶をたのしむ』、『花をたのしむ』、『灯を…

『源氏物語 千年の謎』

一条真也です。東京に来ています。 ブログ「源氏物語 千年の謎」に書いた映画の原作を読みました。 『源氏物語 千年の謎』高山由紀子著(角川文庫)です。 『源氏物語 千年の謎2』という続編も一緒に読みました。 千年の時を越え、今、『源氏物語』誕生の秘…

『陰翳礼讃』

一条真也です。『陰翳礼讃』谷崎潤一郎著(中公文庫)を再読しました。 日本人と「灯り」の関係を解き明かした日本文化論の名著です。 著者は、言うまでもなく、大正時代を代表する文豪です。 日本人は暗さを好む民族である 東日本大震災の原発事故以来、日…

『風姿花伝』

一条真也です。16日の午後、「バク転神道ソングライター」こと鎌田東二先生が小倉に来られます。 以前、鎌田先生が小倉に来られたとき、世阿弥の『風姿花伝』をお貸ししました。 そのとき、先生は松柏園ホテルの一室でわが蔵書を使って、論文を書かれまし…

『茶の本』

一条真也です。『茶の本』岡倉覚三著、村岡博訳(岩波文庫)を再読しました。 岡倉覚三は、「岡倉天心」という名のほうが有名でしょう。 そう、ブログ『東洋の理想』で紹介した名著の著者です。 日本に関する独自の文明論というべき名著 茶の湯によって精神…

『思い出食堂 ’12冬の味編』

一条真也です。東京は赤坂見附のコンビニで『思い出食堂 ’12冬の味編』(少年画報社)というコミックを見つけました。じつは、わたしはこのシリーズの大ファンなのです。 早速購入し、ホテルに帰ってから一気に読みました。ブログ『思い出食堂 A定食編』…

『東洋の理想』

一条真也です。金沢から越後湯沢を経由して、東京に入りました。 「13日の金曜日」には、やはり魔都・東京にいないと! それは冗談で、もうすぐ行われる座談会の最終打ち合わせがあるためです。 ブログ「無縁社会の克服のために」で紹介しましたように、今…

『中江藤樹 人生百訓』

一条真也です。今夜は、今年最初の満月です。 「ムーンサルトレター」の第78信を書いて、Tonyさんにメールで送りました。 ところで昨日から、ずっと中江藤樹のことを考えています。 『中江藤樹 人生百訓』中江彰著(致知出版社)を再読しました。 人を…

『中江藤樹』

一条真也です。久々に、本の話題をブログに書きます。今年に入ってから何冊も読んでいるのですが、なかなかブログに取り上げたいと思うものがないのです。 今年最初に書いたブログ『代表的日本人』で紹介した名著には、5人の日本人が登場します。いずれも、…

『代表的日本人』

一条真也です。『代表的日本人』内村鑑三著、鈴木範久訳(岩波文庫)を再読しました。 著者は、言うまでもなく日本人を代表するキリスト教徒です。 名著として知られる本書は、1908(明治41)年に書かれています。 新渡戸稲造著『武士道』や岡倉天心著…

『古典で読み解く現代経済』

一条真也です。『古典で読み解く現代経済』池田信夫著(PHPビジネス新書)を読みました。 これまでにもブログ『希望を捨てる勇気』やブログ『使える経済書100冊』で紹介した本を書いてきた著者は、アルファブロガーとしても知られる経済通の評論家です…